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米Beehex、フードプリンティングでデザートのデコレーションを実現

NASAの宇宙食開発やピザの3Dプリンティングで100万ドルを調達して話題になったBehex社は新プロジェクトとしてケーキのデコレーションを3Dプリンティングで実現。2019年9月にラスベガスで開催されるIBIE(国際パン・菓子エキスポ)に出展する。

食品製造現場でのフードプリングの可能性と課題

BeeHexが取り組んでいるのはフード・プリンティングとよばれている食品製造に特化した3Dプリンティング装置。ケーキのデコレーションは繊細な技能が要求される高付加価値分野で、日本でいうとコンビニケーキやカッププリンなどへの導入が考えられる。例えばコンビニケーキは季節性が強く、新製品投入のサイクルが短い。そのため完全自動化だけでは展開スピードが間に合わない場合も多く、24時間3交代で工場スタッフが手作業で関わる作業工程も多く含まれる。特に製品の入れ替わりのタイミングでは熟練工でもミスが起こりやすい上に、コンビニの製品検査水準は高くセンシティブな製品だ。

こうした製造プロセスに係る現場の作業スタッフの多くはパートや工場派遣スタッフ。製造ラインを稼働させるための労働力確保も製造現場では大きな課題になっている。

BeeHexが開発したフード3Dプリンターはこうした短いライフサイクルと繊細な加工を求められるケーキを3Dデータと材料を投入すれば自動生産できる。多品種への対応時もデータと充填素材の入れ替えだけですみ、ラインの組み換えを必要としないという点でも大きな可能性を秘めている。一定の作業環境を保っていれば3Dフードプリンターを備える提携工場が臨時の需要増に対応してワークを分散受注できるといった製造ラインの分散も可能になる点も可能性を感じる。充填素材とデータがあれば国境を越えた出力も可能になる点も大きい。

今後の展開に期待

装置の費用と生産能力の費用対効果や、充填可能な素材と造形品質、ラインの組み換え時の取り回しなど、今後検討していくべき課題も多い上に、既存の食品製造装置との優劣比較も必要になる。だが特に造形難度が高いデコレーション分野などでの活用には期待が高まるといえる。

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編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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