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3Dプリンティングで人工頭蓋骨を作成。OPM社アジアでの展開加速

3Dプリンティング技術を用いた医療分野向けの高機能デバイスメーカーのOxford Performance Materials(オックスフォード・パフォーマンス・マテリアルズ:以下、OPM)は東京都大田区に日本法人事務所を開設し、日本を含むアジアでの販売を本格化する。

OPMは、米国FDAを取得した個別化頭蓋骨再建デバイスの他、脊椎ケージや歯科補綴材などの医療デバイスを2013年以降多くの臨床現場に提供してきた。2018年には厚生労働省から外国医療機器製造業者としての認定を受け、2019年5月には日本の化学系材料サプライヤJSR株式会社と提携を発表。日本を含むアジア地域(中国、台湾、韓国、ブルネイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、インド)を対象にした販売協業を結んだことを明らかにした。日本での製造は、2019年後半に始める予定とのことで、今回の大田区の拠点には製造装置や試験装置を展示しているという。今後、人工頭蓋骨や歯科デバイスなどを中心に展開を強化する構えだ。

3Dプリンターによる積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング)は生体組織に影響を及ぼしにくい素材による造形や複雑な体組織の造形に適している。また1つ1つ違いのあるカスタム生産を得意とする生産手法だ。それだけに職人の手仕事で作成される義歯や金属では成型後の体組織の損傷や拒絶反応が懸念される骨の成形にその活用が従来から期待されてきた。

すでにアメリカで実績のある3Dプリンティング技術による義歯作成や頭蓋骨再建手法に実績のあるOPMと高分子化学素材に強みをもつJSRの協業によって、この流れが加速することが期待できる。

アメリカではやったものを日本にもってくるタイムマシーン商法、3Dプリンターでも有効のようだ。再生医療系の活用で歯科の混雑が軽減される日も近いかもしれない。

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編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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