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「モノづくりの速さ」でコロナと闘う―FLASHFORGE(フラッシュフォージ)

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)は全世界で猛威を振るっている。日本でも市中からはマスクが売り切れ、トイレットペーパーも姿を消した。一部の医療機関ではマスクを複数日使い続けなければならない事態も起こっているという。

感染源と目される中国では日本以上の混乱があるという。そんな中、3Dプリンターが活躍しているという知らせがFLASHFORGE(フラッシュフォージ)製3Dプリンターの日本総代理店であるAPPLE TREE株式会社(以下、 APPLE TREE )から発表があったので紹介したい。

医療従事者向けのゴーグルを3Dプリンターで製造

ウイルス感染の危機にさらされている医療最前線の医師にとっては医療用防護服、マスク、ゴーグルが「3大必需品」となっていた。しかし新型コロナウイルスの影響により、生産や物流に深刻な影響が出ている中、医療用ゴーグルは不足状態が発生。そこで中国のとある国有企業の研究開発チームは医療用ゴーグルの大量生産に3Dプリンターを活用したという。

200台現場に投入されたというGuider2(ガイダーツー)

「製品の設計と開発、完成までをわずか7日間で完了させた」というスピード開発を実現した上、 「1日あたりの生産量は600セットから2000セットと、大幅に生産能力を向上」させたという。 APPLE TREEによるとFLASHFORGE(フラッシュフォージ)製3Dプリンター をフル活用して作成しており、実に200台の3Dプリンターが稼働しているとのことだ。

医療用ゴーグルを再現

実際にどのような工程で、医療用ゴーグルが作られたのか、気になる方も多いだろう。APPLE TREEが創新テック株式会社の協力のもと、医療用ゴーグルを実際に作成してみたというので、その様子もご紹介したい。

製造には3Dプリンターだけではなく、レーザー加工機も用いられた
  • 3Dプリンターでゴーグルのフレームを出力
  • 透明アクリル板をレーザー加工機に設置
  • レーザー加工機でレンズをカッティング
  • ゴーグル本体にレンズをはめ込み、マジックテープをセット

という4つのステップで実現したという。

3Dプリンターで保護ゴーグルのフレームを造形し、レンズ部分をアクリル板をカットしてはめ込んでいる。レンズ部分に使うアクリル板にはブルーライトカット、曇り防止、静電気除去などの性質がある素材を使えば、より実践的な仕様になるだろう。

***

1か月前、2か月前に現在のような状況を想像できた人は数少ないのではないか。予想外のリスクが全世界を襲うリスク多き時代に私たちは生きている。しかし悲観ばかりしてはいられない。今回の保護ゴーグルのほかに、患者隔離施設を3Dプリントで対応した、などのニュースも報告されている。 変化に対応する速さを武器に、私たちは困難に立ち向かわなければならない。 一刻も早い事態収束を祈る。

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編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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