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コンテナ輸送が可能!! フランス産の建築用3Dプリンター

橋や住宅などの生活インフラを3Dプリンターで造る-そんな時代がやって来ている。

建設用3Dプリンターはまだ日本では注目度が低いように思われるトピックであるものの、海外では先行してさまざまな活用事例が散見され始めた。
今回はフランスのConstructions-3Dという企業に注目して、建設用3Dプリンターの実態に迫りたい。

ソリューション紹介動画 in Japanese

フランス企業、Constructions-3D と充実したソリューション事業

フランス北部ノール県のヴァランシエンヌにConstructions-3D 社はオフィスを構えている。主な事業は 建設用3Dプリンターの製造・販売・サービスであり、それらを一貫して二十人にも満たない少数精鋭のメンバーで提供している。

実際に建物を出力するプリンタを含むサービス “Turnkey solution” の 価格は€495,000.00 (日本円に換算すると六千万円前後※一ユーロを百二十円と換算した場合)と値が張るように思われるものの、その製品・サービス内容は充実している。

具体的な製品内容としては、以下の四点。

  • 20フィートコンテナ( 3Dプリンターを運搬できる )×1
  • コンクリート3Dプリンター ×1
  • 押出・ポンプシステム ×1
  • コントロールシステム ×1

また、機器を扱うに伴っての周辺サービスもその値段に含まれており、

  • メンテナンス及びアフターフォロー
  • 機器を扱うために必要なトレーニング
  • プリントの基となる素材
  • ソフトウエア

機器を扱うために必要なトレーニング、プリントの基となる素材、ソフトウエア、メンテナンス及びアフターフォローと多岐に富む。

Maxi printerが可能にしたオンサイトでのプリンティングとは?

建築用3Dプリンター
引用: Constructions-3D 公式サイト

Constructions-3D が三年以上もの開発期間の末に辿り着いたMaxi printerはさまざまな意味で話題性に富む。Maxi printer のコアとなる要素は頑丈さ、実用性、使いやすさであるものの、このプリンターの凄いところは他にもある。一つにはオンサイト(現場)でのプリンティングが可能だ、ということだ。

コンテナによる移送、油圧式システムによるマシンの頑丈さによってプリントに必要なものを現場に直接運びこむことが可能になり、現場に搬入次第プリントを始めることが出来る。

また海上コンテナとしての証明書を持ったコンテナは天候に左右されない移送及び、厳しい環境にも耐え得ることを意味している。

建物が造られるまでの流れ

実際に建物が造られるまでの流れは、以下の四ステップに分けることが出来る。

  1. 3Dプリンター及び周辺機器を入れたコンテナを現場に搬入
  2. コンテナ内のものを荷解き
  3. それらを建設現場へ設置
  4. プリント開始

また3Dプリンターはデジタル機器でのコントロールが可能だ。デジタル機器は主に三つに分かれており、コンピュータとそれに内蔵されるソフトウエア及びコントロールボックスだ。ソフトは使いやいものを志向して造られており、特別な知識は要さない。ネット環境も必要としないため、場所に左右されない出力が可能になっている。

編集後記

海外では、米国のスタートアップを始め建設用3Dプリンターに取り組む企業はよく見られ今回のような事例も数多く存在する。国内でも大手建設会社が建設用3Dプリンターを開発するなど、建設市場全体で見たとき少しずつ盛り上がりを見せている。

建設用3Dプリンターはまだ開発が終わり各社販売に向けて動き出した段階であり、普及には至っていないのが実状だ。しかし今回の事例で見たようにオンサイトでのプリンティングが可能になるなど、建設用3Dプリンターの便利さ・使いやすさは増してきている。今後の建設用3Dプリンターの動向に期待が高まる。

関連情報

シェアラボ編集部

3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。

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