日本メカケミカル株式会社(愛知県豊川市)は、UV硬化型3Dプリンタの未硬化レジン専用水溶性洗浄剤「3DPR NFixa Protect(エヌフィクサ プロテクト)」を開発し、販売を開始した。水ベースで引火点がなく、天然由来のUV吸収剤によって洗浄液内での析出物の発生を抑えることを特徴としている。
目次
UV硬化型3Dプリンタの洗浄工程を水ベースに
光造形方式などのUV硬化型3Dプリンタでは、造形後の表面や細かな隙間に残った未硬化レジンを取り除くため、洗浄工程が必要となる。
一般的にはIPA(イソプロピルアルコール)が広く使用されているが、高い洗浄性能を持つ一方で、引火性や特有の臭気があり、保管や取り扱いには安全管理が求められる。
「3DPR NFixa Protect」は、こうした課題に対応するために開発された水溶性洗浄剤である。水ベースのため引火点がなく、IPAと比較して臭気も少ないという。
UV吸収剤で洗浄液内の析出物を低減
UV硬化型レジンの洗浄では、周囲から入る紫外線も問題となる。洗浄液中に残った未硬化レジンが蛍光灯や外光などに含まれる紫外線によって硬化すると、析出物が発生し、造形物へ再付着して表面品質に影響する可能性がある。
同製品では天然由来のUV吸収剤を配合し、洗浄液中の未硬化レジンに対する紫外線の影響を抑制することで、析出物の発生を低減する。
試験ユーザーからは、洗浄性能について「IPA同等に感じる」「IPAには劣るものの十分に使用できる」といった評価のほか、造形物の変形が見られないことや、シリコーン系レジンを洗浄できること、臭気の少なさ、洗浄液を再利用できることなどが評価されている。
製品は1L×12本、5L×4の荷姿で提供され、一般ユーザー向けにはAmazonでも1本単位で販売している。


編集部コメント
レジン方式3Dプリンタでは造形精度や材料性能が注目されやすいが、実際の運用では洗浄をはじめとする後処理も重要な工程である。特にIPAは取り扱いや臭気への対策が必要となるため、オフィスや研究施設など設置環境によっては負担となる。水ベースで引火点がなく、さらに洗浄液中でのレジンの硬化を抑えられるのであれば、UV硬化型3Dプリンタの運用環境を改善する選択肢の一つとなりそうだ。
用語解説
| UV硬化型3Dプリンタ 紫外線(UV)を照射することで液体状の光硬化性樹脂(レジン)を硬化させ、立体物を造形する3Dプリンタ。高精細な造形に適しており、試作品や模型、治具、工業部品など幅広い用途で利用されている。 |
| 未硬化レジン UV硬化型3Dプリンタで造形した後、造形物の表面や隙間などに残っている硬化していない液体状の樹脂。造形後に洗浄工程で除去する必要がある。 |
| IPA(イソプロピルアルコール) 有機溶剤の一種。UV硬化型3Dプリンタでは、造形物に残った未硬化レジンを除去するための洗浄液として広く利用されている。洗浄性能に優れる一方、引火性や特有の臭気があるため、取り扱いや保管には注意が必要となる。 |
| UV吸収剤 紫外線を吸収し、その影響を抑えるために使用される材料。「3DPR NFixa Protect」では天然由来のUV吸収剤を配合し、洗浄液中に残った未硬化レジンが紫外線によって硬化することを抑えている。 |
| 析出物 液体中に溶解・分散していた成分が、化学反応や光などの影響によって固体として現れたもの。本製品が対象とする洗浄工程では、洗浄液中の未硬化レジンが紫外線の影響で硬化して析出し、造形物に再付着することが問題となる場合がある。 |

