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マダガスカルで3Dプリンターにより建設された学校が開校。世界で進む建設3Dプリンター活用

地域や立地の事情で学校に通えない子どもたちが教育を受けられるようにすることを主な目的とするアメリカの非営利団体「Thinking Huts」が、アフリカ南東部沖にあるマダガスカルの中南部の都市Fianarantsoaに、3Dプリンターで建設した学校を開校した。(画像は3Dプリンターで建設された学校 出典:Thinking Huts)

Thinking Hutsによる学校建設プロジェクトの概要

マダガスカルでのThinking Hutsの3Dプリント製学校の建設は、7年がかりのプロジェクトで、現地の大学Ecole de Management et d’Innovation Technologique (EMIT)との長期的なパートナーシップのもと、雇用の創出と経済成長の触媒となることを目指してすすめられた。マダガスカルでの開校が第一弾となる。

マダガスカルが3Dプリンター製学校建築の最初の場所に選ばれたのは、現地での人脈、地元のサポートが得られることに加え、過密と長距離移動のために22,000以上の学校が必要と推定されるほどの高い学校ニーズ、そして太陽光発電に適した環境であることが理由にあるという。

今後は人口の過密や過疎などの理由で学校へ通えない子どもたち多い都市部と農村部の両方で、3Dプリンターを用いた学校建設が行われる予定だ。ハチの巣のように建物が連なったハニカム構造型の学校を作る計画もあるとのこと。

現地とつながる学校づくり

マダガスカルの学校の3Dプリントされた壁は、耐久性の高いセメント混合物で作成されている。屋根、ドア、窓には地元で調達した材料が使用された。建設には現地の建設会社に参加してもらうことで、3Dプリンターの操作を教え、将来的に新たな建設プロジェクトにも活用できる体制をつくった。

ここには、地元の資源を活用し、地元の人材や企業と一体となって学校建設プロジェクトをすすめることで、現地の経済活性化につなげる意図がある。もちろん、学校の日常業務の監督や教師の派遣についても現地パートナーが担っている。

Thinking Hutsの創設者でCEOのMaggie Grout氏は、3Dプリンター製の学校建設プロジェクトについて、以下のように述べている。

「この2年間で、世界で最も差し迫った問題に取り組むために、人間中心の革新的なソリューションが緊急に必要であることが明らかになりました。私たちは、学校の必要性に取り組みながら、人々を集め、次世代に変化をもたらすインスピレーションを与え、成長していくことを楽しみにしています。これは始まりに過ぎません。」

画像左の女性はThinking-Hutsの創設者でCEOのMaggie-Grout氏 出展:Thinking-Huts.jpg
Thinking-Hutsの創設者でCEOのMaggie-Grout氏(画像左) 出展:Thinking-Huts.jpg

なぜ建設3Dプリンター活用が増えているのか

従来の方法で学校を建設しようとすると、数カ月から、場合によっては数年かかることも珍しくない。3Dプリンターであれば数週間で学校を建設可能だ。

学校建設という世界的に大きなニーズに応えるためにはスピードとコストの問題の解決、そして地元の協力が欠かせない。3Dプリンターを用いて時間とコストを圧縮しつつ、地元の経済活性化も期待できるThinking Hutsのプロジェクトは、今後の教育支援のスタンダートなるかもしれない。

とはいえ、学校建設を大義名分に、現地環境がないがしろにされるのは好ましいことではない。Thinking Hutsの学校建設では現地資材が使用されている点にも注目したい。

ShareLabNEWSでは、エクアドルで計画が進行中の、カーボンニュートラルの実現を目指す世界初の村で3Dプリンターが活用されていることについて取り上げたが、そこでの建築物はすべて地元の自然素材のみを使用することになっていた。持続可能な社会や循環型社会の実現のためにはコスト削減のことを考えても現地の資源活用が必須なのは間違いない。

環境負荷を抑えて造形ができる3Dプリンターが担う役割は、今後ますます拡大していきそうだ。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関する情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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