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FictivがシリーズEで1億ドルの資金を調達、サービスの堅牢性を高める

3Dプリントに関する受注生産サービスを提供するFictivは、シリーズEの資金調達ラウンドで1億ドルを確保した。3Dプリンター業界でも注目の Fictivの造形システムの特徴や、今回調達した資金で目指す「シリーズE」についてご紹介する。

Fictivの分散型デジタル製造システム

サンフランシスコを拠点とするFictivは、3Dプリンターを活用し、部品の受注生産を行う。その強みは、分散されたデジタル製造システムによる、速さと柔軟性だ。

Fictivは、200を超えるグローバル生産パートナーと提携することで、見積もりまでの時間を短縮するシステムを作り上げた。FDM、SLA、SLS、PolyJet、およびMJFなど、様々な方式の3D造形が可能で、あらゆる注文に対応できる。

2013年の立ち上げから、システムの合理化を進め、大きく成長してきた企業だ。

Fictivの受注生産システムの画面
Fictivの受注生産システム(出典:Fictiv)

シリーズE

Fictivは、Activate Capitalが主導するシリーズEの資金調達ラウンドにおいて、1億ドルの資金を確保した。

最新の資金調達ラウンドを経て、同社の総資本は約1億9,200万ドルとなる。

同社はこの資本を使って、「オンデマンド製造サービスの速度と堅牢性をさらに向上させることにより、サプライチェーンのリスクを軽減するために顧客を支援する」としている。

Fictivが見据えるコロナ後の世界

Fictivが多くの注目を集める背景となったのは、コロナ禍によるサプライチェーンの混乱がある。コロナの影響で、生産施設の閉鎖や、流通の寸断が世界各地で起こり、生産性の低下が問題となった。

Fictivはこうした問題に取り組むことで収益を挙げている。Fictivの2021年度収益は、前年度比で100%以上増加し、従業員数は81%増加した。

Fictivの目指すオンデマンド生産は、流動性を増す世界情勢とそのニーズを上手く取り込み、今後も重要な役割を演じることになるだろう。

Activate CapitalのマネージングパートナーであるDavid LincolnはFictivを以下のように評している。

「Fictivは、革新的なデジタル製造システムによって他と差別化を図ってきた。このシステムは、比類のない生産スピードと拡張自在なパートナーシップを生む。これにより、中間業者を介さず、費用対効果の高い部品生産が可能だ。」

David Lincolnは、航空宇宙産業の部品生産を行うHoneywellのデジタル化にFictivが携わった例を挙げて、以下のように述べている。

「我々は、Fictiveが産業界を変革するリーダーであると確信している。Fictivがもたらしたデジタル化によって、製造スピードと質は大きく向上し、Honeywellは生産性、効率、企業の拡張性を得るに至った。」

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