1. HOME
  2. 業界ニュースTOP
  3. この素材で作れるの?金属3Dプリント特殊材料評価

この素材で作れるの?金属3Dプリント特殊材料評価

今まで加工が難しかった素材でも、パウダー化できればAM技術で積層造形することにより複雑な形状部品を造形できる。」そう展示会などで説明されたら実際に自分の扱う製品でも試したくなるのが自然な流れだ。試作造形段階では、機材購入ができるかどうかは不明なので、何度もメーカーにサンプル依頼は出しにくい。そんなときに、特殊な材料の評価をおこなえるサービスビューロに依頼すると、素材評価がスムーズだ。

SOLIZEの場合

金属3Dプリントで取り扱われるおもな材料は、アルミ合金、鋼(ステンレス、マレージング)、ニッケル合金などですが、お客様からは高強度のニッケル合金や銅合金、タングステンのような材料のご要望を多数いただきます。SOLIZEはお客様のご要望に応じて、各種材料で造形できるかどうかの造形性の評価および物性評価を行います。低流動性材料にも対応しています。

SOLIZE

SOLIZEは、自動車分野での3Dデータ活用や光造形による試作に早くから取り組んでいた会社で、日野自動車の図面3D管理などでコンサルティング実績も豊富な企業だ。試作の分野では、新しい形状へのトライも勿論だが、新しい素材への挑戦も行われる。パーツ点数を少なくしたり、強度や耐熱性を担保するためにいままで量産ラインに載せられなかった難加工材を試してみたい。そんな要望を検討する最初の段階だが、「この材料、AM工作機で造形できるの?」と考えたことがある人も多いだろう。

SOLIZEは、光造形機17台、粉末造形機13台、金属3Dプリンター8台、インクジェット3Dプリンター2台を有し、B2Bの試作領域や3Dデータをアップするとオンラインで見積りできる出力サービスも展開している国内大手サービスビューロ。装置自体の販売・運用保守を提供している他、九州を走る豪華列車「ななつ星 in 九州」エンブレムを手書きの指示書をもとに3Dデータを起こし、鋳造マスターを光造形機で出力した実績も持つ。

評価の進め方

評価内容納品物
フェーズ1支給粉末のフィーディング・トライ(粉末形成)
パウダーベッド方式の場合、造形面にパウダーが均一に供給される必要があるため、粉面形成性を評価する。
評価レポート
フェーズ2レーザー照射による造形トライおよび造形断面検証
フェーズ1をクリアした場合、トライアルオブジェクトを作成する。立方体の造形断面の画像検証を行い造形密度の評価を行う。
評価レポート
トライアルオブジェクト
造形断面検証
フェーズ3指定形状での造形トライ
フェーズ2をクリアした材料について、フェーズ2で使用した条件、希望形状で造形トライ
トライアルオブジェクト
フェーズ4各種物性試験
フェーズ2またはフェーズ3をクリアした材料について、各種試験規格に順じた物性評価試験片を作成し、評価。
物性評価レポート

造形時にはいくつものパラメータがあるが基本となるのは、どのくらいの厚さの粉末層に、どのくらいのエネルギーのレーザーを照射するか。これはエネルギー密度(単位体積当たりのエネルギー量)として表され、レーザー出力を「走査速度×操作間隔×積層厚さ」で割った式で表現される。

まずは材料となる金属粉末を1層のみ積層し、1本の直線状にレーザーを照射する。その際、連続した線として溶融させることができれば次のステップに進めるが、造形に適していない材料の場合、粉末の層が形成できない場合や、溶融した線が不連続になる場合がある。

この段階をクリアできれば、次に多数の平行な直線状にレーザーを照射する。きれいに線が並んだ平面が形成できると次のステップに進めるが、造形に適していない材料の場合、穴が開くことや、大きな凹凸ができる。さらに粉末を積層してレーザーで平面を形成、これを繰り返して、立体を作るテストを行う。造形に適していない材料の場合、途中で割れてしまう場合がある。こうした造形材料自体のテストを行うという形で多段階に分けて試験を行うことができる。

特殊な材料の評価を行いたいときは、 SOLIZE に相談するもの手だろう。

関連リンク

編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

資料ダウンロード 3Dプリンティング国内最新動向レポート

サイト内検索

関連記事