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Formnext2021で新3Dプリンターやソフトウェアが多数発表!注目企業を一挙紹介

ドイツのフランクフルトで行われた3Dプリンターのイベント「Formnext 2021」で各社が新機種や新たなソフトウェアの発表を行った。

イベントは今年で7年目。3Dプリント業界最大のイベントとして知られる。出展者や参加者は、分散型生産、安全なプロセスチェーン、効率性、持続可能性など、将来の緊急かつ重要な課題に対するソリューションを発表した。

この記事では各社がイベントで発表した新しい3Dプリンターやソフトウェアについて、紹介していく。

Raise3D社 大型3Dプリンター「RMF500」

Raise3D社のRMF500灰色の大きな箱。工業的な見た目の中にどこか洗練された印象を受ける
Raise3D社「RMF500」(出典: Raise3D )

RMF500は小ロット生産に対応した3Dプリンターだ。RMF500に搭載されているFFFシステムと呼ばれる技術は、再現性のある位置決め精度、安定した押し出しフロー、高速プリント、大容量の造形を実現可能にする。このシステムは、高レベルの製造業の生産要求を満たすために設計されており、「正確な生産再現性」、「大容量かつ高速な造形」、「高性能な材料使用」という3つの主な特徴を備えている。

RMF500はX軸とY軸で0.001mmの精度、Z軸で0.0009765mmの精度のモデルを実現できるという。また、モーターの負荷変動による速度変化を抑える仕組みを搭載している。

RMF500は、500×500×500mmの造形エリアを持ち、2つのジョブを同時に印刷でき、最高で毎秒300mmの印刷速度を実現しているという。

また、低収縮率と高剛性を実現するために開発された炭素繊維強化フィラメントを専用に使用し、加熱室を必要としないことで、プリンターの効率を高めることに成功した。また、2.5kgの大型カートリッジを4本搭載しているので、メインと補助を自動的に切り替えて、ノンストップでのプリントも可能だ。

Xact Metal社 メタル3Dプリンター「XM200G」

Xact Metal社のXM200Gの外観。白い細長い、いかにも産業機械という形。横に操作パネルが付いている。
Xact Metal社「XM200G」(出典: Xact Metal )

Xact Metal社は、XM200Gメタル3Dプリンタシリーズを発表した。150×150×150mmの造形容積を持つこのプリンターは、高性能ガルバノメーターシステムを採用してプリント時間を短縮するとともに、マルチレーザー構成にも対応しており、XM200Gでは100、200、400Wのファイバーレーザーを用意している。

マルチレーザー構成時には、50μmのスポットサイズで66%、100μmのスポットサイズで100%のオーバーラップ領域を実現するという。Xact Metal社の目標の一つは、中小企業にとって金属粉末床融合(PBF)をより身近なものにすることであり、そのためにXM200Cプリンターの価格を90,000ドルから65,000ドルに引き下げたことも発表された。

Xact Metal社のCEOであるJuan Mario Gomez氏は、「XM200Gシリーズは、米国での希望小売価格が9万ドルからとなっており、高性能なアプリケーションと印刷速度が重要な部品の印刷に最適です」と述べた。

そして「XM200Gの導入は、Xact Metal社がいかに金属粉末床融合の要件と画期的な技術を組み合わせて、積層造形の価格と性能の新しいレベルを確立し続けているかを示すもう一つの例です」と述べ、さらに「より多くのお客様に金属レーザー粉末床融合技術の恩恵を受けていただくために、XM200C金属3Dプリンターの希望小売価格を65,000ドルから提供できることを大変嬉しく思います」と続けた。

Optomec社 2台の新3Dプリンター「HC-TBR」「Aerosol Jet HD2」

Optomec社「HC-TBR」「Aerosol Jet HD2」(出典: Optomec )

Optomec社は新たに2台の自動大容量3Dプリンターを発表した。
1台目、コンパクトなオールインワンタイプの「HC-TBR」は、DED(Directed Energy Deposition:指向性エネルギー堆積法)を用いて、複数の合金から金属部品を修復・製造するシステムを採用している。

このシステムは、チタン部品をより安価に製造・修理する方法を模索しているメーカー向けに設計されており、高度なレーザー光学系を使用してレーザービームの出力プロファイルとサイズを遠隔操作で変更できるという、業界初の機能を備えたものだ。

これにより印刷プロセスの高速化に貢献する。また、チタンのような反応性の高い金属合金を、無酸素室で大量に加工できる。

2台目の新作3Dプリンターは「Aerosol Jet HD2」だ。3D半導体のパッケージングおよび組み立て用の新しい3Dプリンターとなる。
特許取得済みのAerosol Jet技術を活用したこのシステムは、Optomec社によれば、10ミクロンという高解像度の回路を印刷でき、また、チップ、コンポーネント、ダイ、基板間の3D相互接続を実現する独自のアプローチを提供するとしている。
Aerosol Jet HD2は、自動車用レーダーや5G通信などの分野で、消費電力の削減や長距離通信を可能にする高い信号周波数での性能が向上しており、スクラップが多く、信号性能が低いワイヤーボンドを使って電気部品を接続する従来の方法に代わるドロップインシステムとして機能することが期待される。

GE Additive社 プロセス管理ソフトウェア・プラットフォーム「Amp」

プロセス管理ソフトウェア・プラット (出典: GE Additive社)

GE Additive社は新しいソフトウェアプラットフォームを発表した。

金属3Dプリントではシミュレーションが流行している。シミュレーションは、最初にパーツを正しくプリントするために、設計・製造プロセスの初期段階で、非常に重要になってきている。金属3Dプリントは、素材やパーツごとにパラメータを細かく設定することが難しく、材料や機械の無駄、さらには機器の破損につながることもあるからだ。

GE Additive社が開発したクラウドベースのプロセス管理ソフトウェア・プラットフォーム「Amp」は、「プリントモデル」と「シミュレーションと補正」と呼ばれる2つの機能が組みこまれている。「プリントモデル」は、部品の向き、サポートの生成、切断、ラベリング、スライスといった、従来の手動作業を自動化する印刷準備ツールだ。

「シミュレーションと補正」の機能は、歪み、残留応力、リコータ(プレート位置と層にパウダーを供給するための部品)の干渉、欠陥を予測し、印刷前にそれらの問題を修正できるシンプルなツールとして設計されている。

GE Additive社は、市場に出回っている他のシミュレーションツールのように過度に洗練されたものになることなく、金属3Dプリントで見られる典型的な試行錯誤のアプローチを避けることができると主張している。

一般的にシミュレーションソフトウェアは、専門的な知識と強力なコンピュータを必要する。しかしGE Additive社のソフトウェアはクラウドベースであるため、コンピューティングの負荷はGE Additive社のサーバーにかかる。また、シンプルなツールであるがゆえにソフトウェアの操作には高度な知識を必要としない。

GE Additive社のソフトウェア担当ジェネラル・マネージャーであるIgal Kaptsan氏は次のように述べている。
「私たちのビジョンはシンプルです。お客様が部品の開発や3Dプリントを迅速かつ効率的に行えるよう、できるだけ簡単にしたいのです。そうすれば、お客様はより早く生産や工業化を実現することができます」

「Ampは、マシン、マテリアル、サービスと並ぶGE Additive社のフルソリューションの4本目の柱です。 GE Additive社は、金属積層造形技術の最大のユーザーであると同時に、機械や粉末のメーカーでもあるという立場にあり、他のユーザーが金属積層造形を産業化する際に直面する課題を直接理解しています。そして、自分たちのニーズを満たし、使いやすいソフトウェアソリューションが見つからなかったので、自分たちで作ったのです。Ampを開発するにあたり、私のチームは、実際に工業規模で金属添加剤を使用しているGEアビエーションのチームやGEグローバル・リサーチのチームと緊密に連携し、彼らの視点や貴重なフィードバックを得ることができました」

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