1. HOME
  2. ブログ
  3. 最大6つ自由に組み合わせが可能な、最新独立型デュアル3Dプリンターを解説

最大6つ自由に組み合わせが可能な、最新独立型デュアル3Dプリンターを解説

Tumaker Pro Dual (出展:Tumaker社)

材料押出式の3DプリンターのメーカーであるスペインのTumaker社は、欧州で開催されたFormnext2021で最新のIDEX 3Dプリンターシリーズを展示した。

今年初めに発表されたTumaker Pro Dualシリーズが、従来の独立型デュアルエクストルーダー(Independent Dual EXtruder:以下、IDEX)市場に出回っている3Dプリンターと違う「柔軟性の高さ」や、Tumaker社の今後の展望について解説する。

Tumaker社

Tumaker社はスペインを拠点とし、2014年からプロ向けの押出成形ベースである業務用3Dプリンターを開発。2016年に「BIGFOOT Pro」や、「BIGFOOT Pro pellet」を含む大型システムの「BIGFOOT」のラインナップを発表。2020年に、IT3D Group社とINDART3D社に買収され、前者は国際的な流通を担当し、後者は研究開発の役割を担っている。

そして2021年には、新しいTumaker Pro Dualシリーズの発売により、独立型デュアルエクストルーダー(IDEX)市場に参入した。

Tumaker ProDualシリーズについて

何より、一番の特徴はその「柔軟性の高さ」だ。

独立型デュアルエクストルーダー(IDEX) 3Dプリンターとは異なり、この業界ではあまり見られない高いレベルの柔軟性で顧客のニーズに応えている重要な特徴が2つある。

ひとつは、Y軸を共有しながらもX軸が独立して自由に動くことにある。そのため、顧客はヘッドを自由に移動させながら2つのプリントヘッドを同時に使用することができる。

その結果、3Dプリンターのスループット(単位時間あたりに処理できる量)が2倍になるだけではなく、プリントヘッドのキャリブレーション不良、意図しない材料の混合、にじみ、ノズルの保守性の悪さなど、3Dプリンターに関連する多くの問題を解決でき生産性の向上へとつながる。

ふたつめは、顧客が1台のマシンで独立した2つの異なるタイプのプリントヘッドを最大6つ、自由に組み合わせることができる点だ。

ボーデン押出機(左)と組み合わせて使用​​されているペレット押出機(右) (出展:Tumaker社)

例えば、Bowdenヘッド(Bowden)は、剛性が高く、硬く、抵抗力のあるフィラメントを使用した印刷に最適だ。その牽引システムにより、最大10kgの大型のリールが使用できる。一方、ダイレクトドライブヘッド(Direct Drive)は、TPUのような柔軟なフィラメントで印刷できるように設計されている。

最大の特徴であるペレットヘッド(Pellets)は最も多様な材料を使用でき、ユーザーが自社開発した材料、特別に認定された材料、およびフィラメントの形では入手できない材料(射出成形ペレットを含む)で3Dプリンティングできるようになる。

ペレットベースの材料が使える効果は、一般的に同等のフィラメントよりも安価であり、さらなるコスト削減への可能性が高まることだ。ペレットヘッドは新素材開発に力を発揮ことが期待されている。

これらの3種のヘッドは、下図のように組み合わせて使うことができる。

使用用途に合わせて自由に選択できる (出展:Tumaker社)

各構成には、フィラメント振れセンサー、32ビットプロセッサ、Wi-Fi接続、および5インチのタッチスクリーンが付属している。

Tumaker社の今後の展開

ペレットを使用した積層造形のエキスパートである同社は、材料をフィラメントに変える必要がないという新素材開発分野において革新的な研究を追求し続けている。ペレットからフィラメントへ変換する時間とコストの節約だけではなく、変換プロセスで材料が劣化するのを防ぐ。新しい材料分野を持つスペインの大学などで多くの導入実績を誇るという。

そのような顧客のニーズに応えるためのソリューションを追求しつつ、今後として同社CEOのRubénGarcía氏は「カスタマイズプリンターの開発・製造のための新サービスを紹介したい」と、語っており、市場に出回っていない特定の機器を製造することを目的とした、顧客の要求に基づく技術コンサルタント業務を展開するとしている。

関連情報

+ posts

電機メーカー、デジタル地図ベンダーのソフトウエアエンジニア、サービス企画の経験を経て、コンサルティングファームのメンバーとして自動車会社の開発を支援する。予防医学を学び、幹細胞に興味を持つ。3Dプリンターで自身の車や家を作る時代がくることを夢に見ながら日々執筆に勤しむ。

関連記事