ニシオホールディングス株式会社のグループ企業である西尾レントオール株式会社(大阪府大阪市、以下、西尾レントオール)は、株式会社Polyuse(東京都港区、以下、Polyuse)が開発した建設用3Dプリンター『Polyuse One(ポリウス ワン)』のレンタル提供を開始した。これにより、最先端の建設技術を多くの現場に手軽に導入することが可能となり、労働力不足の解消、工期の短縮、環境配慮型施工の推進など、建設業界が直面する課題解決に寄与する。
目次
多様な活用事例
本機の導入事例としては、以下が挙げられる。
- 基礎フーチング施工時の残存型枠
- 金属施工時の残存型枠
- 折れ曲がり箇所の水路側溝
- 河川用魚道
- 擬石模様の型ブロック(河川用)
選べる2つのレンタル方式
本サービスは現場ニーズに応じて、以下の2方式で提供される。
- オフサイト方式
3Dプリンタ本体と西尾レントオールが提供する製作スペースのセットをレンタル。自社で設備を用意せずとも、すぐに構造物の製作が可能である。

- ニアサイト方式
3Dプリンタ本体のみをレンタル。利用者が準備した製作スペースに本体を設置し、構造物を出力する形となる。

※設計データ作成や材料購入に関しては、開発元の株式会社Polyuseが支援する。
『Polyuse One』の主な仕様
- プリンタサイズ(展開時):3,980×3,590×2,650mm
- プリンタサイズ(折りたたみ時):4,300×1,220×1,310mm
- 造形可能サイズ:3,000×2,500×1,900mm
- 重量:560kg
- 展開/折りたたみ所要時間:各5分
- 電源:三相200V 50A / 単相100V 15A
- 可搬性:キャスターによる移動が可能
建設用3Dプリンタとは
建設用3Dプリンタは、従来の工法に比べて迅速かつ高精度にコンクリート構造物を造形できる装置である。省人化や安全性向上、環境負荷の軽減など、複数の面でメリットがある。日本を含む多くの国で、すでに実証から本格運用に移行しつつある技術分野である。
導入の背景
建設業界は、少子高齢化による人手不足、社会インフラの老朽化、持続可能な社会構築といった課題に直面している。西尾レントオールは総合レンタル企業として、これらの社会課題解決に資する最新技術の普及に取り組んできた。Polyuse社が開発した『Polyuse One』は、工期短縮、省人化、環境負荷低減を同時に実現する次世代施工技術である。同社は、国内唯一の建設用3Dプリンタメーカーとして多数の公共工事で実績を重ねており、技術的な信頼性も高い。また、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されており(登録番号:KT-230174-VE)、公共工事等での活用が促進されている。
株式会社Polyuseとは
株式会社Polyuseは、建設業界向けの3Dプリンタを開発・提供する国内唯一の建設用3Dプリンタメーカーである。2019年に設立され、ハードウェア、ソフトウェア、サービスを一体で展開し、公共工事を中心に多数の導入実績を有する。3Dプリントによる省人化・工期短縮・環境配慮を実現し、建設現場の革新を目指す企業である。
西尾レントオール株式会社とは
西尾レントオール株式会社は、建設機械やイベント機材などを扱う総合レンタル企業である。1959年創業の旧社から事業を承継し、2022年に現法人として発足。全国に拠点を持ち、工事現場や災害対策、展示会まで幅広く対応する。近年は3Dプリンタなど先進技術の導入にも注力している。
シェアラボ編集部コメント
建設業界の省人化・効率化が叫ばれる中、Polyuse社の3Dプリンタ『Polyuse One』を西尾レントオールがレンタル提供する意義は大きい。現場導入のハードルを下げ、公共工事などでの実用化を後押しする。柔軟なレンタル形態により、より多くの現場での活用が期待される。
用語解説
| ■ 建設用3Dプリンタ 建築・土木構造物の造形に特化した3Dプリンタ。コンクリートなどを積層して構造物を形成し、省人化・工期短縮・省資源化を可能にする。 |
| ■ Polyuse One(ポリウス ワン) 株式会社Polyuseが開発した国産の建設用3Dプリンタ。可搬性と操作性に優れ、公共工事にも多数採用されている。 |
| ■ オフサイト方式 3Dプリンタと製作スペースを一括レンタルし、現場外の施設で構造物を造形する方式。自社設備が不要で導入しやすい。 |
| ■ ニアサイト方式 3Dプリンタ本体のみをレンタルし、ユーザーが用意したスペースで出力する方式。現場近くで柔軟に運用できる。 |
| ■ NETIS(ネティス) 国土交通省の新技術情報提供システム。新技術の公共工事活用を促進し、導入現場での評価・共有を可能にする。 |
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