インスタリム株式会社は、東京都が推進するグローバルスタートアップ支援プログラム「SusHi Tech Global」の第4弾参加企業に選定された。同社はAIと3Dプリント技術を活用した義足製造ソリューションを展開しており、今回の採択を受けて海外事業の拡大や遠隔提供モデルの構築を進める。
目次
東京都のグローバル支援プログラムに採択
インスタリムは、日本・インド・フィリピンでAIと3Dプリント技術を活用した義足製造ソリューションを展開するスタートアップである。同社によると、AIによる3Dプリント義足製造ソリューション事業としては世界初(※1)としている。
今回選定された「SusHi Tech Global」は、東京都が策定した「Global Innovation Strategy 2.0 STARTUP & SCALEUP」に基づくグローバルスタートアップ支援プログラムである。サステナブルな技術を活用し、社会課題の解決と世界市場での成長を目指す企業を対象としている。
第4弾では17社が新たに採択され、これまでの参加企業は累計94社となった。
海外展開と遠隔提供モデルを推進
インスタリムは今回の支援を活用し、「必要とする全ての人が、質の高い義肢装具を手に入れることができる世界を実現する」というビジョンのもと、既存の海外事業をさらに強化する。
具体的には、インド・フィリピン以外の国や地域へのフランチャイズ展開を進めるほか、スマートフォンによるスキャン技術を活用した遠隔提供モデルの構築にも取り組む。
これにより、都市部や専門施設へのアクセスが難しい地域でも、高品質な義肢装具を提供できる体制の構築を目指すとしている。
9,000本超の3Dプリント義足を提供
同社は2017年に設立された日本発のディープテック・スタートアップで、2018年からフィリピンで事業を開始し、その後インドへ展開した。
現在までにフィリピンとインドで9,000本以上の3Dプリント義足を製造・販売しているほか、3D義肢装具製造ソリューションは公的機関を含む10以上の組織で導入されている。
同社によれば、3Dプリント義足は従来品と同等の品質を維持しながら価格を10分の1以下に抑えられるという。また、製造ソリューションでは導入コストや納期を10分の1以下に短縮し、義肢装具士1人あたりの製造能力を10倍以上に高められるとしている。
※1:インスタリム調べ。WEB記事、ニュース記事、論文などをもとに、試作品ではなくカスタム量産体制を構築した3Dプリンター・CAD義足事業として世界初としている。

シェアラボ編集部コメント
3Dプリント義足は、製造コストや納期を大幅に削減できるだけでなく、義肢装具士不足という世界共通の課題への対応策としても注目されている。インスタリムはこれまでインドやフィリピンを中心に実績を積み重ねてきたが、今回の採択を契機に第三国への展開やスマートフォンを活用した遠隔提供モデルが進めば、義肢装具へのアクセスが困難な地域にも提供できる可能性が広がる。3Dプリント技術とAIを組み合わせた医療分野での活用事例として、今後の事業展開にも注目したい。
用語解説
| SusHi Tech Global |
|---|
| 東京都が推進するグローバルスタートアップ支援プログラム。社会課題の解決と世界市場での成長を目指す企業に対し、資金や伴走支援を提供する。 |
| 3Dプリント義足 |
|---|
| 3Dプリンターを用いて製造される義足。利用者ごとの形状に合わせて設計できるほか、従来の製造方法と比べてコストや納期の短縮が期待される。 |
| マス・カスタマイゼーション |
|---|
| 個々の利用者に合わせた製品のカスタマイズと、大量生産並みの低コスト・高効率な生産を両立する製造方式。 |
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