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クリスチャン・ディオールが3Dプリントでコンセプトストアをドバイに建設

フランスのファッションブランド クリスチャン・ディオール(Christian Dior SE)は、イタリアの3Dプリンターメーカー WASP と共同でコンセプトストアを建設し、ドバイ国際博覧会で展示を行った。

ドバイ国際博覧会

2020年にアラブ首長国連邦のドバイで開催予定であったドバイ国際博覧会(EXPO 2020 Dubai)は、新型コロナウイルスの影響で延期となった。

粘土や砂、天然繊維を使用して印刷されたコンセプトストア。壁面にパターンも施されており、高級感のある化粧箱をそのまま大きくしたような建物。

当初の開催期間は2020年10月20日~2021年4月10日であったが、2021年10月1日~2022年3月31日の日程で現在開催中だ(2021年11月現在)。

中東初となる万国博覧会のテーマは「Connecting Minds, Creating the Future(心を繋ぎ、未来を創る)」だ。サブテーマは Mobility(流動性)、Opportunity(機会)、Sustainability(持続可能性)の3つで、サブテーマごとに区画されて展示を行っている。

DIORの3Dプリンテッドコンセプトストア

フランスを代表するファッションブランドであるクリスチャン・ディオールは、ドバイ万博の開催に合わせて、ドバイのジュメイラビーチにコンセプトストアを設置した。

円柱状で特徴的な外観を有する2つのコンセプトストアは、粘土、砂、天然繊維を使って3Dプリンティングされたものだ。イタリアの3Dプリンターメーカー WASP との協賛企画である。

WASPについて詳しくは「イタリアのWASPが工業・建設用の新型3Dプリンターを発表」をご参照ください。

コンセプトストアの外壁はディオールを象徴するカナージュ(籐)があしらわれ、店内ではディオールのクリエイティブディレクターである Maria Grazia Chiuri による「Dior Reviera」コレクションが展示されている。

WASP創設者のコメント

WASP創設者の Massimo Moretti は、WASP が辿った経緯に関して、自身の Facebookページで「Life is strange(人生は奇妙だ)」とコメントしている。

WASPはこれまで新興国における低所得者層向け住宅や災害時の仮設住宅を提供してきた。他方、今回のドバイ万博では、世界最高級のブランドであるディオールから資金提供を受け、最先端の技術を展示する場にいる。

Moretti の「奇妙だ」というコメントは、当初狙っていた低所得者向け住宅市場と全く異なる分野の可能性を提示されたことを表している。

環境負荷の低減や低所得者向け住宅建設を進める WASP がディオールのパートナーとして選ばれたことは、世界的に持続可能性への関心が高まっていることの象徴だ。

従来のような物質的豊かさのみを評価する考えは最早存在しない。ディオールと WASP の共同展示は、持続可能性や地球環境への配慮こそが、「豊かさ」とみなされる世界へシフトしつつあることを予感させる。

関連情報

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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