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パリ市内に3Dプリント製歩道橋を建設 ― XTreeE

以前、“建設業界の3Dプリンター活用最前線”と称して、建築の世界での活発な3Dプリンター技術の利用をご紹介した。その中で、フランスに拠点を置く建設3Dプリンティングスタートアップ XtreeEもご紹介した。今回はその同社がパリ・オリンピックに向けて3Dプリント製歩道橋を建築するとのことで、その取り組みをお届けする。 

(写真は、XtreeE公式Webサイトより引用)

耐力構造全体にAMを活用―3Dプリント製歩道橋

2024年のパリ・オリンピックに向けて、パリ市内に建設が予定されている3Dプリント製歩道橋は、パリ北部の9つの都市を結集する領土公的機関 Plaine Commune Grand Parisの発注によるものだ。同機関は、XTreeEを含む複数の建築家や構造設計の専門家などから構成された(Freyssinet / Lavigne & Cheron Architects / Quadric / XtreeE / LafargeHolcim)コンソーシアムに対し、40メートルの3Dプリンティング製歩道橋の設計・施工を発注した。

今回の3Dプリント製歩道橋がフランスの首都で初になるとのことだが、本日時点でその詳細はほとんど明らかにされていない。ただ歩道橋のデッキ全体、つまり耐力構造全体にAM技術を活用することは決まっており、場所はパリ北側に位置するオーベルビリエに建設が予定されている。

3Dプリント製歩道橋のイメージ
(写真は、XtreeE公式Webサイトより引用)

3Dプリント製歩道橋と言えば、以前ご紹介したMX3D社によるアムステルダムの3Dプリントブリッジや、 XtreeE社が別プロジェクトとして手掛けている2030年までに建物の25%を3Dプリントする予定のドバイの事例も思い浮かぶ。

Mighty Buildingsのように独自のコンクリート材料を保有し、建設までする企業も存在する。世界の主要な各国都市で進む3Dプリンティング建築。何故、ここまで注目され普及が始まっているのであろうか。

その大きな理由としては、3Dプリンティングは設計の自由度を高め、思いのままの構造物を建築するだけでなく、使用する材料、コストを大幅に削減できる可能性を秘めていることが挙げられるのではないだろうか。XtreeEはこれを非常に強く理解し、より耐久性があり、より複雑かつサステナブルなコンクリート構造物を設計するプロセスを開発した。同社の目標は、従来の構造物と比較してコンクリートの消費量を60%削減することであり、XtreeEメンバーはそれについてインタビューで以下のように触れている。

「今日、コンクリートは水に次いで地球上で2番目に消費されている材料です。過去3年間で、中国は20世紀全体で米国よりも具体的なコンクリートを生産してきました。もちろん、コンクリートで建築するのをやめることは考えられません。必要な特性に適応できるので、それは素晴らしい材料です。ここで3Dプリンティングが役立ちます。幾何学的制御を強化することで、最適化された形状を構築するだけでなく、使用する材料の量も制限できます。技術的にも経済的にも、これまで大規模に構築することは絶対に不可能だった形が可能になります。今日、重要な要素である建築要素、コストについて低く製造することが可能です。」

サンゴ礁の模倣から大型パビリオンの制作まで―XTreeE

3Dプリンターを効率的に操作するためのソフト/ハードウェアの両方を開発しているフランスのスタートアップ、XtreeE。メンバーには建築・土木工学・機械工学・コンピューター科学・材料科学・管理など、さまざまな知識を持つ人々で構成されており、実現性の高いプロダクトを産み出す企業だ。

もともとはパリにある建築学校、Paris-Malaquais School of Architectureと、エンジニアリングスクールArts et Métiers ParisTechの共同研究からスタートしたこのプロジェクトは、今では大企業との連携を始め多くの実績を残している。今回ご紹介した3Dプリント製歩道橋以外にも、サンゴ礁の模倣、大型パビリオン、高さ4mの支柱など自社のプロダクトを使ったさまざまな造形物を作り出している。

3Dプリンターで造形したサンゴ礁の模型物(写真は、XtreeE公式Webサイトより引用)

同社は、スイスに拠点を置くLafargeHolcimから3Dプリンティング用のモルタル(材料)の提供を受けている。LafargeHolcimのモルタルは、着色にも対応しており、3Dプリンティングだからこそ表現ができる曲線的なデザインや、細かく立体感のあるテクスチャが特徴だ。

また日本においても、繊維製品の大手メーカークラボウ(倉敷紡績株式会社)が提携を結んでおり、意匠性が高い建物の外装材や景観材料の試作品の制作を進めているとのこと。

XTreeE紹介(XTreeE公式YouTubeアカウントより引用)

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シェアラボ編集部

3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。

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