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AM(アディティブ・マニュファクチャリング)とはなにか

積層造形とは

AM(アディティブ・マニュファクチャリング)=積層造形

AM(Additive Manufacturing)は、3Dプリンティング技術による積層造形技術による製造方式のことを指す言葉だ。まだまだ積層造形による製品生産は一般的ではないが、今後のものづくりに大きな影響を及ぼすことは間違いないといわれている。

では、何がそんなにすごいのか。インターモールド2019名古屋で開催されたセミナーの登壇者たちに話を伺ってみた。

経営にとって好ましい特徴がある

「アディティブ・マニュファクチャリングへの取り組みは、装置の導入にしても、受け入れ側の顧客にしても大きなチャレンジです。その際に視野に入れるべきはコストとリスクです。補修用の部品の大半は在庫として使われないまま眠り、破棄されます。もしこの部品をAM技術でオンデマンドに生産するとしたら、補修部品の生産コスト、保管コスト、廃棄コストを大きく削減できます。」(デュフズード・ジャパン:永山氏)

実際にドイチェ・バーンのICE(ドイツの高速鉄道)では、1万5000点以上の部品を実際にメンテナンスに利用しており、すべての車両に最低1個はAM技術でつくられた部品が使われている計算だという。

補修作業に向いている

一部が欠けた金型をスピーディーに補修する。そんなときにも3Dプリンティング技術は活用できる。 オークマの石原氏は 実際の事例を紹介している。

「トイレのエンボス柄や生理用品の通気用の穴のように、やわらかい紙に微細な穴をあける加工用金型の事例です。この金型は細い円錐状の針が剣山のようにたくさんついている形状なのですが、この針が破損してしまったのでなんとかならないかというご相談をいただきました。通常では複数の加工業者を経て補修するので生産ラインが3週間以上停止してしまう緊急事態。弊社の金属積層加工を組み込んだ1週間以上短縮して解決できました。」 ( オークマ:石原氏 )

該当の金型を装置に設置し、金属積層造形で破損部分を「生やし」てから切削加工で仕上げることで、金型に求められる微細精度を保ってワンストップで補修できたという。金型のような重量もサイズもある製品をワークするには加工所間の運搬コストや時間も見逃せない要素。一か所で仕上がるのは大きなメリットがある。

カスタマイズ・多品種少量生産に向いている

既存の量産ラインでは実現が難しかった多品種少量生産には積層造形による生産は適している。目が不自由な駅の利用者向けに用意する点字付き案内板をAM技術を利用して調達している。

ベースは同じだがすべてカスタム品、こうした製品は従来の工法ではコストが高くつく。3Dプリンティング技術を活用して、低コストかつオンデマンドで調達することができた。

積層+加工+積層+加工、、、

材料を積み上げて加工し、また積み上げて加工する。材料を生やしながら磨いて作る非常に職人の手作業のようなプロセスをおこなうことで、従来、なしえないワークを実現できるのも3Dプリンティング技術の魅力だ。

「車の排気のような、流体をスムーズに流すためには、円の径がかわっても形状を変えないことが重要だということで、レーシングカーのエンジンにある排気用部品の製造をおこないました。積層し切削加工で仕上げ、その後さらに積層しまた仕上げる。その繰り返しで、求められる精度をたもったまま生産することができました」(オークマ:石原氏)

複雑な形状でもコストかわらず

無理に複雑にする必要はもちろんない上に、当然設計上の難易度は上がるのだが、生産するという観点において、3Dプリンティングによる積層造形では、対象ワークの形状の複雑さはあまりコストに影響しない。

従来であれば20個の部品員分割しないと量産ベースに載せられなかった部品を1つのワークとして生産することができれば、サプライチェーン上大きなアドバンテージになる。また設計上の制約が解消されることで従来なしえなかった革新的な設計を製造ラインにのせることもできる。GEのトーマス・パン氏は語る。

「私たちは航空機のジェットエンジンの設計を大幅に見直し、設計段階の性能を大きく向上させることができました。しかし実際には量産化検討の段階で、製造ラインから技術上無理なので、、と設計変更を求められ、スペックを落とさざるを得なかったという経験をしたことがあります。その経験こそ、私たちがアディティブ・マニュファクチャリングに取り組むきっかけでした。」(GE: トーマス・パン氏 )

3Dプリンティングによる複雑な形状の製造が生産上の制約を解消した。その結果、GEは20個のパーツを1つにまとめ、重量を10%軽減し、燃費を10%軽減するような革新的な性能改善を実現したという。そしてその改善は継続的に続いているという。

万能ではないが、新しい可能性がある。

「補修部品の在庫圧縮やカスタマイズ対応時の即応性は大きな武器になるはずです。現場での可能性が広がるだけではなく、経営の大きな武器になります。」(デュフズード・ジャパン:永山氏)

「3Dプリンターでできるのか?という質問はもう古い。なにをするべきかを語る時代がやってきました。」(GE:トーマス・パン氏)

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