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東京モーターショー2019 3Dプリント技術を織り込んだコンセプトカー続々登場予定

旺盛な自動車業界の研究開発投資

自動車は1台の開発費が数百億円に上ることもあり、研究開発の一環として3Dプリンターへの取り組みが旺盛な産業の一つだ。(環境省のレポートによると自動車の開発費は1台あたり400億円から500億円、高級車セルシオで750億円、プリウスで800億円程度だったという。)

特にCASE「Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス)、Electric(電気自動車)」と呼ばれる自動車の大変革を迎えている近年では、主要自動車メーカーの研究開発費は大きく膨らんでいる。

乗用車7社の20年3月期の研究開発費見込みは以下の通り。
トヨタ  11,000億円(前年比+4.9%)
ホンダ  8,600億円(前年比+4.9%)
日産  5,500億円(前年比+5.1%)
スズキ  1,700億円(前年比+7.5%)
マツダ 1,390億円(前年比+3.2%)
三菱自動車 1,410億円(前年比+13.4%)
スバル  1,200億円(前年比+16.8%)
総額3兆円を超える大きな投資が計画されている。

3Dプリンター関連企業への取材を通じて、各社が航空・宇宙・自動車に関して、急速に取り組みが始まっているという話は度々出てくる。 研究開発、試作に投下する費用や時間の節約は従事しているスタッフの待機時間の削減にもつながるだろうから、ラピッドプロトタイピングの費用対効果は高いだろうし、巨額の研究開発費の中から新しい工法への研究を進める余力がある姿がうかがえる。

東京モーターショーではその一端が垣間見える

10月に入ってから2019年10月24日から開催される東京モーターショー2019の事前プレスリリースが次々発表されている。10月14日段階ですでに発表日野自動車のコンセプトモデル、トヨタ自動車のコンセプトモデルに関して紹介してみよう。(シェアラボでは東京モーターショーの取材を予定しているので、後ほど実際の車体に関してレポートもおこなっていきたい)

変幻自在に暮らしを最適化する日野自動車のモビリティコンセプト「FlatFormer」 

日野自動車のフラットフォーマー。電動12輪モーター駆動に萌える。。

日野自動車では、4700㎜(トヨタのハイエースや三菱自動車のデリカくらいのサイズ)に12輪を備えるプラットフォームの上に、カスタマイズ可能なボディを載せるコンセプトモデルを発表する。 汎用の「土台」にリチウムイオン電池50kwhを積んだ6×6の12輪モーター駆動の電動車両ということで、航続距離はそこまでないが、宅配便やキッチンカー、キャンピングカーなどに向いている予感。持ち主のニーズに応じて製造されるボディ部分には3Dプリンターを活用するという。

このコンセプトモデルは発表段階では発売されるかどうか未定だが、研究開発の蓄積があった上での発表なので、今後の取り組みの方向性の具現化であるといえる。今後のマス・カスタマゼーション(量産を意識したカスタマイズ)への対応やそこでの特定ニーズの効率的な取り込みは自動車各社で念頭に置いている近い未来だといえる。特に近距離トランスポーター(平たく言うと宅配会社の専用車両)は現在では新車生産されていないため、中古車市場でも高いニーズを誇る。電動化すれば「売れる」分野だ。

トヨタのウォークスルーバン「クイックデリバリー」ヤマト仕様(出典:wikipedia)

トヨタ自動車のコンセプトカーLQ

2017年発表の 「Concept-愛i 」 動画

トヨタ自動車の コンセプトカー「LQ」は内装、外観は2017年発表の 「Concept-愛i 」を踏襲している。今回のリリースではその具現化をこんな方法でおこなうという具体化が語られており興味深い。3Dプリンター関連でいうと、内装面でその活用が見られる。センターコンソールにDfAM観点から、「トポロジー最適化」を行い、3Dプリンターでの造形を想定している。強度確保と意匠に分かれていた構造を一体化し先進的な車内空間の実現を行っているという。展示車両が実際に3Dプリンターで造形されているか関心が集まるところだ。

センターコンソールにラティス構造を採用したトヨタのコンセプトカー「LQ」

自動車業界はこの20年で各段の低燃費化、電装品の進化を遂げてきた。平均的にリッター10キロ走れば合格という常識は普通車でも実燃費でも15キロ、ハイブリッドカーでは20キロ、高速道路なら30キロ走るまで進化を遂げた。カーナビ部分でも自動車の車速のみならず、独自規格の燃費計やセンサー類との連携を強めた。(AC電源とスピーカーだけつなげばカーステ交換できた20年前にくらべると、OBD2経由で車速、GPS、燃費などが読み取れるし、センター、サイド、リアのカメラとの接続なども増えた。カーナビにつなげる端子類の増加は隔世の感がある。)

フューチャー感のある内装が発売車両になった際にどこまで維持されるかには期待と不安が入り乱れるところではあるが、未来の車は見ていておもしろい。こんな車に乗ってみたいというワクワク感は、シェアリングやサービス化がすすむ中、それでも自動車を保有する層にとってはおおきな魅力になるだろう。

シェアラボ編集部では、ここで取り上げた以外にも、会場で3Dプリンター関連の情報があれば続報する予定だ。

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