1. HOME
  2. ブログ
  3. 1台5億円・限定40台のスポーツカーを市販化!ブガッティがマシンに投入した最先端の3Dプリント技術

1台5億円・限定40台のスポーツカーを市販化!ブガッティがマシンに投入した最先端の3Dプリント技術

イタリアの自動車メーカー「BUGATTI」(以下、ブガッティ)がサーキット専用のコンセプトハイパーカー「Bolide」(ボリ―ド)を限定40台で市販化すると発表した。車両価格は400万ユーロ、日本円で5億円を超える。(出典:BUGATTI)

ボリードのすべてのネジは、チタン製だ。航空宇宙業界で用いられるような中空で薄いパーツが3Dプリンターによって生産されている。厚さは最大0.5mmと非常に薄い。それでいて、高い強度も備えている。

超軽量化に欠かせない3Dプリント技術

ボリ―ドをはじめとして、ブガッティが製造する自動車には軽量化の実現のため、最先端の3Dプリンティング技術が投入されている。ブガッティで新たに3Dプリンティング技術によって開発されたパーツは、わずか100グラムの重量で最大3.5トンの力を伝達できるもの。たとえるならば鉄筋コンクリート並みの超剛性を持つ、極薄・超軽量パーツだ。

ブガッティがこのほど開発した3Dプリント プッシュロッド。3.5トンの負荷がかかっても車体とホイールを支え続けるチタニウム製だ

3Dプリント技術を積極的に導入するブガッティ

3Dプリンティング技術によって製造されるパーツの開発は、博士課程の学生であるHenrik Hoppe氏が新技術部門の責任者として2017年から執り行っている。Hoppe氏は、高度に軽量化されたブガッティの代表的モデル「Chiron」(シロン)に使われているブレーキパーツよりも43%も軽量で同様の剛性を持つチタン製のブレーキパーツの生産を可能にした。そう、3Dプリント技術を用いて。

複雑な3次元構造を3Dプリンターで実現

ブガッティは、この革新的な3Dプリント技術を日常的に使用して、複雑な3次元構造を持つ自動車の部品を次々と強化している。フランスの高級メーカーは、生体工学の分野の原則を適用して、薄く、中空で、細かい分岐を可能にした骨のような構造のパーツを製造した。この技術こそが、最大わずか0.4ミリメートルの薄さでパーツに驚くべき剛性をもたらすポイントとなっている。

「私たちは、考えられるすべての分野で革新的な機能を増やしながら、車の重量を減らし続けます」とHoppe氏は説明した。さらには「ブガッティは材料、製造プロセス、自動車パーツに関して最高の品質基準を要求していますが、それらは商業的に実行可能でなければなりません」と付け加えた。

3Dプリンティング技術でブガッティが主導権を握る

シロンの生産が開始されて以来、ブガッティのハイパースポーツカーには3Dプリントされたパーツが組み込まれている。これは業界初の試みだった。2018年には3Dプリントされたブレーキパーツとしては世界最大となるチタン製のパーツも発表している。その後はチタンとコイル状のカーボンというハイブリッド素材での3Dプリントされたパーツの開発にも成功している。

「これらのパーツは非常に軽量で、堅牢で耐久性があるため、生産車両での使用に最適です」と、ブガッティの新技術責任者であるFrank Götzke氏は述べている。

超重量を支える超軽量

3Dプリントによってつくられる複雑な構造のパーツは、自動車の目に見えないところにも使用されている。フロントウイングに取り付けられた0.7ミリの厚さのチタン製パーツは、わずか600グラムの重量で最大800キログラムにもなるダウンフォースに耐える高い剛性を有する。

リアウイングにかかる最大1,8トンものダウンフォースを耐えるためのパーツの要にも、3Dプリンターで作られたチタン製のパーツが採用されている。こちらのパーツの重量はわずか325グラムだ。この他にも数えきれないほどの箇所で3Dプリントされた超軽量パーツが用いられている。

ブガッティは独自の3Dプリンティング技術で、あらゆる角度から自社スポーツカーの軽量化に取り組んでいる。Frank Götzke氏は「これらの技術は生産車両に応用することもできる」と述べる。

極限の速度域に用いられる競技用車両のハイエンドパーツが一般販売車両に採用されるのは、自動車の世界では常とされる。時代を追うにつれてますます高性能化していく自動車のパーツに最新の3Dプリンティング技術が用いられている好例とも言える話題だ。ブガッティに続いて他メーカーの取り組みにも注目が集まる。

+ posts

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関する情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

関連記事