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医療×テクノロジーの進歩。抗菌作用フィラメント、コロナウィルスに対する有効性を確認―Copper3D

以前コロナ対策用のマスクを制作している企業としてご紹介した、3Dプリント用抗菌材料開発に特化した材料メーカーCopper3Dが、同社の3Dプリンタ用素材によるヒトコロナウィルス感染症への影響を検証し、短時間でコロナウィルスを減少させる効果があることを示した。

医療×テクノロジーでグローバル展開するCopper3D

世界最大の銅鉱石生産国であるチリのサンティアゴで設立された同社は、数年前より医療用途に向けた材料の開発に取り組んでおり、新型コロナウィルス・パンデミックによる需要拡大を受け急速に成長した企業の一つだ。

同社は抗菌作用フィラメント「PLACTIVE AN1™」を取り扱っている。同製品には、酸化銅ナノ粒子(銅の特殊特性を有している)が含まれている。チリおよびアメリカの2つの微生物学研究所で確認された抗菌特性を有しており、黄色ブドウ球菌および大腸菌を最初の6時間で95%まで低下させ、 その後8~24時間で99.99%を除去することができる。非毒性で、生分解性を持つため環境に優しいのも特徴だ。

また特定のオブジェクトの適切な条件下において、HIV(Human Immunodeficiency Virus)ヒト免疫不全ウイルスを効果的に不活性化できる3Dプリントデバイスなども開発しており、医療分野にテクノロジーを活かすことで知られる企業だ。日本の厚生労働省にあたるアメリカ食品医薬品局、FDAの登録済み素材であり、EU規格に準拠済とのことだ。

現在、同社は世界50カ国以上のグローバルネットワークを構築し、抗菌作用フィラメントを販売している。

抗菌作用フィラメント「PLACTIVE AN1™」
抗菌作用フィラメント「PLACTIVE AN1™」(Copper3D公式Webサイトより引用)

Copper3D社全製品に含まれるCuprionix® 添加剤をテストした結果……

1時間未満でコロナウイルスのウイルス負荷を、+99.9%減少

同社メディカルディレクターであるクラウディオ・ソト博士率いるチームは「EN14476 + A2」欧州統一規格に従って、ヒトコロナウイルス229E株(HCoV-229E)に対するCopper3D全製品に含まれる添加剤(Cuprionix® 添加剤)の抗ウイルス能力をテストした。

結果、添加物は、最初の30秒から非常に高い抗ウイルス効果を示しており、1時間未満でコロナウイルスのウイルス負荷を+99.9%減少させたとのこと。このプロセスは非常に迅速であり、最初の30秒で60.189%(log 0.4)のウイルス負荷の急速な減少を確認。その後5分以内で90%の減少(Log 1)が記録され、60分近くで99.975%のウイルスの減少(Log 3.6)で定常状態に達した。

またこの一連の検証で、Cuprionix添加剤が細胞毒性のレベルを示すことなく、人や動物と接触する用途にも適した安全性を有していると結論づけることができたとのことだ。コロナウイルス対策と安全性を両立した製品と言える。

石油化学品販売業者、Petrochemと提携し、Cuprionix設立

さらにCopper3Dは、中東およびアフリカ地域最大の石油化学品販売業者である Petrochem と提携して「Cuprionix」の名前を冠した新会社を設立。

Cuprionixの抗菌添加技術をベースに、新材料およびソリューションを開発・製造し、グローバル展開することを計画しているとのこと。設立に伴って、Petrochem 社事業開発ディレクター、ローハン・メータ氏は今回のパートナーシップにより社会課題の解決への期待を語っている。

私たちにとって、Copper3Dと一緒に仕事ができることは名誉なことであり、彼らのイノベーションを短期間で世界規模に展開できることを理解しています。石油化学業界は、偉業を成し遂げることができるインテリジェントな材料を開発するため、このようなイノベーションを取り入れる必要があると考えています。私たちは、このような抗菌性添加剤、材料、そして命を救うソリューションの要求が世界的に拡大しており、この新しい会社が大きな変化をもたらし、多くの産業にポジティブな影響を与え、何百万人もの感染症や死亡者を効果的に排除することができる機会であると信じています。

Petrochem 事業開発ディレクター、ローハン・メータ氏

ファイザー社などがワクチンの開発を進める中、今回ご紹介したニュースのように3Dプリンタ用素材分野でも抗菌、対ウイルスに対してどの程度効果があるかは今後もますます注目されていくことであろう。

そのような注目の高まりと同時に、まだ競合も少ない同分野でCopper3D社が抗菌作用フィラメントを開発したというインパクトは大きいのではないだろうか。また、ただ効果が強いのではなく人や動物と接触する用途にも適した安全性を保有しているというのは今後の使用拡充の大きな可能性を孕んでいると言える。今回は検討をし効果が確認された段階の情報をお届けしたに止まるが、実用化に向けた動きがあれば随時発信する。

Copper3Dについて

2018年設立。チリおよび米国を拠点に活動しており、主に抗菌ナノ材料を開発する企業。エレクトロニクス分野のエンジニアであり、自動化やロボティクス技術と関連した産業分野において14年の経験を持つANDRES ACUNA氏が代表を務める。

以前より、コロナ対策には積極的な企業として知られ、携行性に優れ、繰り返し使うことができ、リサイクルも可能である3Dプリンター製抗菌マスク、NANOHACK 2.0の実績などを持つ。

ISO 9001/2015認証を受けており、REACHに準拠している。

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シェアラボ編集部 | + posts

3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。

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