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総入れ歯用 3Dプリント樹脂が国内でも販売開始

名南歯科貿易株式会社は、ドイツの化学製造メーカーDETAX社が開発した総入れ歯用 3Dプリント樹脂の販売を開始。専用の CADソフトと組み合わせることで、現場で働く歯科技師の負担を軽減する。総入れ歯を、これまでより身近なものに変える可能性を提示した。

開発背景│総入れ歯の需要と技師不足

今後、先進各国では、高齢化に伴って歯科医療における入れ歯のニーズが高まることが予想される。現在でも総入れ歯は存在するが、一人一人の骨格に合った設計が必要であり、大変高額だ。

一方で、若手の歯科技師は 3年で約7割が辞めてしまい、熟練人材が育ちにくい環境となっている。

こうした背景のもと、技師の負担を極力抑え、安心して使える入れ歯のニーズに応えるソリューションが期待される。

DETAX社の歯科用3Dプリント樹脂の特徴

海外の歯科器材を取り扱う歯科医療商社、名南歯科貿易株式会社は、3Dプリンターで総入れ歯を製作するための樹脂材料「フリープリント デンチャー」及び「フリープリント テンプ」を 2022年1月4日より、販売開始した。

医療用器材の販売においては、生体との適合性、人体への長期的なダメージが問題となり、3Dプリンターの参入を阻んでいたが、フリープリントシリーズは日本国内でも指定管理医療機器製造販売クラスIIを取得している。重合後樹脂の安全性は第三者機関によって保証された。

フリープリント デンチャーと、フリープリント テンプは、それぞれ用途が異なる。

フリープリント デンチャーは、口腔内で使える総義歯床作製用樹脂だ。高い耐摩耗性、曲げ強度を有し、長期間の信頼性を担保する。

フリープリント テンプは仮歯製造用樹脂だ。高い耐摩耗性に加え、自然な審美性と鮮やかな色彩を有する。色は3種類から選ぶことができる。

図 フリープリント デンチャーと作製した総入れ歯用義歯床(出典: 名南歯科貿易株式会社 )

図 フリープリント テンプと作製した仮歯(出典:名南歯科貿易株式会社)

フリープリントシリーズはドイツの化学製造メーカー DETAX社が開発・販売している。既に欧州での臨床実績があり、安心して利用可能だ。

専用CADソフトによる作業時間の短縮

フリープリントシリーズを用いた総入れ歯製作をサポートするのが、専用のCADソフトウェアexocad だ。

総入れ歯の制作手順としては、まず口腔内スキャナーを利用して、患者の印象データを取得する。データをexocadに取り込み、取得したデータを元に総入れ歯のデザイン・設計を行う。完成したデータは3Dプリンターへ転送し、3Dプリントを実行する。

作製した義歯床、仮歯についての後処理もサポートの範囲内だ。超音波洗浄や光重合機を使用するなどして適切に後処理を行う。これら一連の製造工程が、exocadで一括管理される。

汎用的でシステマチックな製作手順は、患者が頻繁に往診する負担を減らすことができる。また、DETAX社の総入れ歯は、頑強な材料と、個々に調整された設計によって高い信頼性を有する。こうした特徴は、入れ歯製作後の微調整に要する負担も軽減することになる。

負担が減るのは、患者側だけではない。複雑な製造工程を CADシステムに委託することで、技師に求められる技術の水準を下げることが可能だ。製作時間の短縮にも繋がり、生産性の向上に繋がる

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