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AMの後処理を変える、独DyeMansion―AM VenturesのSimon氏が紹介する

DyeMansion創業者、Felix Ewald氏とPhilipp Kramer氏

COVID-19下において1,400万ドルのシリーズB資金を調達。目覚ましい成長を続けるDyeMansion

今日のCOVID-19のパンデミックにより、ほとんどの産業において、旧来のサプライチェーンが影響受けており、その多くが大きなダメージを受けています。 その解決策として、デジタル・マニュファクチャリングが注目を集めているのは皆さまのご存じの通りです。

ここまで紹介してきたミュンヘンに本拠を置くテクノロジー企業DyeMansionがこのような時代においても、彼らの使命を支持する新しい投資家や既存の投資家から1,400万ドルの資金を確保できた背景にも、パンデミック下のデジタル・マニュアファクチャリングの需要増があります。 デンマークのノルディック・アルファ・パートナーズ(NAP)も、既存投資家のUVCパートナーズ、btovパートナーズ、KGAL、AMベンチャーズに参加し、 新資金を合わせると同社の総資金を2,400万ドルに調達しました。

AMベンチャーズの最高ベンチャーオフィサー、Arno Held氏は次のように述べています。

「私たちは、当初からDyeMansionのサクセスストーリーに参加してきたことを非常に誇りに思っています。6年前、後工程の3Dプリント部品のポストポテンシャルを共同で実現しました。アディティブ・マニュファクチャリングで量産化するため、仕上げとカラーリングのスムーズな統合とスケーラビリティが求められていることが明らかになり、それ 以来、このユニークなチームは、AM業界内に独自のセグメントを作り出しました。またそれだけでなく、DyeMansionは、想像を超えた生産量を持つ多数の領域で、カラフルで美的な3Dプリンティングを実現可能にしました。」

AMベンチャーズの最高ベンチャーオフィサー、Arno Held氏(写真は、AM Venturesより提供)
AMベンチャーズの最高ベンチャーオフィサー、Arno Held氏
(写真は、AM Venturesより提供)

同社の年度初めから今日までの成長率は、2019年に比べて25%増加しており、大きな拡大となっていますが、特にCovid-19のパンデミックにより2020年に業界全体で下降が見られたことを考えると、目覚ましい伸びとなっています。従業員も同様に増えており、シリーズAの資金提供ラウンド当時は34人、現在は70人にまで拡大しています。またドイツ、ミュンヘンの本社の他に、テキサス州オースティンに常設の米国拠点を設立しました。

DyeMansion創業者、Felix Ewald氏とPhilipp Kramer氏
(写真は、AM Venturesより提供)

持続的な経済成長が可能。VaporFuse技術とPowerfuse S

DyeMansion社は環境面にも配慮し続け、実績を残しています。彼らはEuropean Innovation Council (EIC) のHorizon 2020プログラムに選ばれ、European Climate GoalsとPowerfuse Sの両立を目指しています。

同社のVaporFuse技術とそのハードウェアPowerfuse Sは、これらのルールに従って、持続可能性を目指しています。 またPowerfuse Sのハードウェアアーキテクチャは、廃棄物を出さない環境に優しい溶剤を使用しており、環境、事業者、地域の文化面に悪影響を与えることなく、長期的な経済成長を可能にしています。

ダイムラーから高級宝飾品メーカーまで。あらゆる産業で活用されるDyeMansion社の技術

自動車産業において3Dプリンティングはサプライチェーンを革新し、高コストと長い納期を、持続可能で経済的なソリューションに置き換える最適な技術です。

ダイムラーは、自動車業界で初めて「アディティブ・マニュファクチャリング」に投資しました。ダイムラーのバスやトラックには30万点を超える異なるスペアパーツがあるため、非常に複雑で、長期的で、高額なサプライチェーンが発生します。 そんなダイムラーでの3Dプリンター活用の課題は、射出成形部品と同品質かつ再現性がある部品を造形することでした。

しかし、DyeMansion技術のおかげで、同社はスペアパーツを、最高の要件を満たす表面品質を備えた特別に開発されたコーポレートカラーで生産することができるようになりました。

ダイムラーのスペア部品
ダイムラーのスペア部品
(写真は、AM Venturesより提供)

またメディカル分野においては、3Dプリンティングを活用することで、患者さん一人ひとりのニーズに応えるために、特別に開発された肌にやさしい色を使った新製品を経済的に合理的な方法で製造することも可能です。

HKK Bionics社は、伝統的な整形外科技能と革新的なコンセプト、そして、最先端の生産技術を組み合わせています。 そんな同社が開発した「エクゾミション・ハンド」は、移動制限のある人々に新しい移動性と価値ある生活の質を提供するハイテク製品です。 DyeMansionの技術や、このアプリケーションのために特別に開発された、人の肌を実現したカラーを使用することで、細胞毒性試験および皮膚刺激性試験に合格し、多くの人がCE認証を取得しました。同製品にはDyeMansion PolyShot Surfacing技術により均一な表面が実現され、皮膚に傷をつけないフィット感を実現しています。

HKK Bionicsのエクゾミション・ハンド
HKK Bionicsのエクゾミション・ハンド
(写真は、AM Venturesより提供)

自動車、医療業界だけではありません。コンシューマ製品分野では、3Dプリンティングは、カスタマイズと目に見えない形状を作成する可能性を提供します。

たとえば、オーストリアのボルテンスタン社は、3Dプリンターで造形されたイヤリングのコレクションを最初に製造した高級宝飾品メーカーです。 イヤリングの感触を改善しつつ、さまざまな大きさと異なる色を提供することを目指す彼らにとっての挑戦は、肌に優しく、再生産可能な方法で、プラスチック部品をデザインされた商品に変えることでした。

そんな彼らが3Dプリンターで実現した「Fabnoraコレクション」は、20色、3サイズ、3種類のイヤリングがあり、DyeMansion技術によって顧客に最大限の柔軟性が提供されています。

ボルテンスタン社のFabnoraコレクション
ボルテンスタン社のFabnoraコレクション
(写真は、AM Venturesより提供)

TCT Japanにも出展。DyeMansionと日本市場

「日本におけるAM技術の可能性は非常に高い。なぜなら日本は世界有数の技術先進国の一つであり、有望な大手自動車メーカーや大手エレクトロニクス企業が数多くあるからです。」 DyeMansionのRegion APACディレクター、Jingyuan-Steiner氏は、日本の高品質基準は、世界をリードする技術に完全に適合しAMを実現する証左だと述べています。

2020 TCT Japanに出展したDyeMansion
TCT Japan 2020に出展したDyeMansion
(写真は、AM Venturesより提供)

DyeMansionは、NTTデータXAM Technologies CorporationやEOS Japanなど信頼されるパートナーとともに、TCT Japanに数回出展しています。日本市場への関心は高く、事業拡大をさらに進めていきたいと考えています。


いかがでしたか。世界最大のアディティブ・マニュファクチャリングの工後処理プラットフォームについてもっと知りたい方は、ぜひDyeMansionにお気軽に連絡ください。無料ベンチマーキングサービスであるTryMansionをご利用いただければ、自社部品のカラーソリューションを自由にテストし、実際に触れていただくことも可能です。DyeMansionは、詳細な部品スペックに関するご相談も受け付けております。皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

本記事やDyeMansion、AM Venturesに関するお問い合わせは以下のShareLabお問い合わせフォームからご入力ください。

Lee, Simon (Sangmin), AM Venturesアジア地域局長


Lee, Sangmin (Simon),
AM Ventures アジア地域局長
simon.lee@amventures.com
www.amventures.com

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シェアラボ編集部

3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。

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