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「formnext」でみたインクジェット3Dプリンターの意外な活用事例

フルカラーの再現が可能なインクジェット方式の3Dプリンターと聞くと、フィギュア制作などホビー用途での使用を想起する人も多いのではないだろうか。ゲームやアニメのマーケットが小さいヨーロッパではその事情は違うようだ。
11月中旬にドイツ・フランクフルトにて開催された、欧州最大のAM産業に特化した展示会「fromnext(フォームネクスト)」でMimaki Europe B.V. のブースで伺った内容をレポートしたい。

今回お話をお伺いしたのは……
Mimaki Europe B.V. 
エリアセールスマネージャー/コバヤシコウヘイ氏
Mimaki Europe B.V.は、産業用の大判インクジェットプリンターの製造販売で知られる日本の電気機器メーカー 株式会社ミマキエンジニアリング(以下、ミマキ)のグループ会社である。フランス・パリにオフィスを構え、ヨーロッパで事業を展開している。

世界初! 1,000万色以上のフルカラー造形が可能な『3DUJ-553』

Formnext2019でMimaki Europe B.V.のブースのメインを飾ったのは、UV硬化インクジェット方式3Dプリンター『3DUJ-553』である。同製品は、ミマキが業務用インクジェットプリンター開発で培ってきた技術を活かし、世界初となる1,000万色を超えのフルカラー造形を実現する。

――『3DUJ-553』の特長を教えていただけますか。
やはり「色の再現性」に自信があり、その高いクオリティがお客様からも好評をいただいています。

化粧品やファッション業界の製品試作で活躍

――『3DUJ-553』の各国における導入状況を教えてください。
日本や北米では主に、ゲームやアニメなどのフィギュア制作で活用されています。
一方ヨーロッパでは、そういったエンターテインメントのマーケットがあまり大きくなく、ファッションやデザインが中心です。化粧品やサングラスや靴など、メーカーのデザイン部門の試作工程で多くご利用いただいています。私も知らなかったのですが、香水は瓶の試作に80万円以上かけている企業もあるとのこと。我々の3Dプリンターは透明なインクもあるので、透明な瓶の試作造形も可能です。

香水瓶の試作品
リップやマスカラの試作品

――デザイナーにとって、3Dプリンターを扱うことは負担ではないのでしょうか。
特にヨーロッパでは、すでに多くのメーカーで3Dプリンターを導入しているので、負担にはならないのではないかと思っています。
しかしながら現在は、カラーがない、思っている色が出力できない、といった課題が見受けられます。その点、私たちの3Dプリンターは、PCでデザインした色をそのまま出力することができます。

――出力にかかる時間はどのくらいですか。
メガネやサングラスなら1つあたり2時間程度です。また、『3DUJ-553』のテーブルは、50cm×50cm×30cmなので、靴なら両方並べることができ24時間程度で出力できます。

今後の注目は自動車と家電メーカー

――今後、ヨーロッパで展開していきたい業界はありますか?
まずは、化粧品やファッション業界での導入拡大を進めることですね。1台2000万円程度と高額なので、大きなメーカーにしか導入ができていない状況です。
今後は、自動車や家電メーカーは世界的に市場があるのではないかと思っています。

編集後記

日本ではフィギュアの制作に活用されている3Dプリンターが、ヨーロッパでは産業用に導入されているとのことで驚いた。今回取材をさせていただいたMimaki Europe B.V.以外にも、formnextのレポートを順次リリースしていく予定なので、そちらもぜひ確認していただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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