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建設用3Dプリンターを扱う国内スタートアップのポリウス、約8,000万円の資金調達を実施

建設業界のスタートアップである株式会社Polyuse(以下、ポリウス)は、Coral Capital、STRIVE、池森ベンチャーサポートなどを引受先とする総額8,000万円の資金調達を実施した。資金調達の背景、資金調達による各社からのコメントをご紹介させていただく。(画像は、ポリウスより提供)

建設用3Dプリンター事業の本格化―資金調達の背景

同社は2019年の創業以来、建設業界が抱える長年の課題に対し、テクノロジーを活用して問題解決を図ることを一貫して行なってきた。今回の資金調達の背景として、メイン事業である建設用3Dプリンター事業において、業界の人材不足などの課題解決に向けて、多くの社内検証と協力パートナーとの複数回の実証実験を通して本格的に事業化に向けて動いていることが挙げられる。同社による実証実験の取り組みについては、同社の共同創業者でありCBO(最高ブランディング責任者)の大岡航氏にインタビューさせていただきShareLabでも紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。

今後の資金の用途として、⼟⽊や外構・エクステリアの領域での活用を目指した建設⽤3Dプリンター「ASHIGARU」など、各種製品・技術の更なる技術開発および開発チーム体制強化や開発環境の整備に充てられるとのことだ。

建設⽤3Dプリンター「ASHIGARU」
建設⽤3Dプリンター「ASHIGARU」(写真は、ポリウスより提供)
建設⽤3Dプリンターによる造形物
建設⽤3Dプリンターによる造形物(写真は、ポリウスより提供)

出資各社によるコメント

出資各社から以下のコメントを頂いているので、併せてご覧いただきたい。

Polyuseは、建設業界という巨⼤なレガシー産業の課題に挑んでいます。こうした業界にテクノロジーを導⼊する際にはいかに現場に寄り添うかが重要になりますが、Polyuseは吉村建設⼯業という⼼強い味⽅とともに地道な努⼒を重ねてきました。Polyuseの創業メンバーの⾃宅ガレージに作られた開発拠点を訪問した際に、そこに集った各領域に強みを持つチームに可能性を感じ、今回ラウンドのリード投資家として投資することを決めました。彼らの情熱が⼤きなイノベーションを起こしてくれると期待しています

Coral Capital、Founding Partner 澤⼭ 陽平氏

建設業界では若者の建設業離れと就業者の⾼齢化が進み、就業者不⾜が課題になっております。今後の労働⼈⼝減少で、更に⼈⼿不⾜が進むことが危惧されており、業界維持のためには建設そのもののイノベーションが必要だと考えております。Polyuseの3Dプリンターは、これまで熟練技能者に依存していた資材製作に変⾰をもたらし、業界をアップデートできると信じております。Polyuseはビジネス・ハード/ソフト/素材エンジニア・建築と建設向け3Dプリンタ―ビジネスを推進するメンバーが集まっており、業界にとって新たにMust Haveとなるプロダクト/ソリューションを創り上げてくれると信じております。弊社はPolyuseのチャレンジを全⼒でサポートしてまいります。

STRIVE、インベストメントマネージャー 古城 巧氏

従来から様々な製造現場で産業⽤ロボットの導⼊が進んできましたが、IoTやAIなどのテクノロジーの進展によって、その範囲は新たな広がりを⾒せています。建築や⼟⽊分野においても熟練技能⼯の不⾜が深刻化する“2025年問題”にむけて、彼らのテクノロジーはその突破⼝の1つになると確信しています。また、異常気象などによる⾃然災害が常態化しつつある⽇本において、彼らの技術が活躍するフィールドも⼤きく、将来的には防災・公共政策の⼀翼を担う企業へと成⻑することを⼤変期待しています。

池森ベンチャーサポート、代表 池森 賢⼆氏

Polyuseとは、知⼈からの紹介で代表の⼤岡さんにお会いしたのがきっかけでした。その後、彼らのラボを訪問したり、岩本さん、伊勢崎さん、松下さんらとの⾯談を重ねさせていただきました。多様なバックグラウンドをもつPolyuseメンバーの開発⼒・課題解決⼒、そして固定概念にとらわれない発想⼒・着眼⼒によって、新たな建築・⼟⽊スタイルへとイノベーションを起こすべく、⼀緒に成⻑できればと思っています。

池森ベンチャーサポート、事業統括責任者 ⼭岸 朝典氏

⼈⼿不⾜が叫ばれて久しい建設業界ですが、Polyuseのマシンによって施⼯の省⼈化が図れることを期待しています。建設⽤3Dプリンターの実⽤化に向けて施⼯者の⽴場から既存の建設業界との架け橋となれれば幸いです。

吉村建設⼯業株式会社、取締役 吉村 成⼀氏

ポリウスと言えば、以前取材させていただいた際、都市部だけでなく、山や海・川、地下といった場所が多くある国内の建設現場を踏まえた技術開発を行っているなど、現場に寄り添ったテクノロジーを志向しているのが印象的であった。今回の資金調達を背景に、コスト効率化・安全性強化を両立しつつ、現場で職人をサポートするユーザー視点に立った技術開発がますます進むことであろう。動向を注目したい。

ポリウスについて

同社は2019年の設立以来、建設⽤3Dプリンターを中⼼とした建設業界特化型のハードウェア、ソフトウェア、サービスの企画設計、製造、販売を事業内容とした国内注目のスタートアップである。現在は、特に土木建設領域における人材不足やコスト高騰などの業界課題に対し、先端テクノロジー技術を活用し、より効率的かつ本質的な課題解決に向けて技術・事業開発に注力している。

また人材の面からも、年間約70兆円※1という⽇本の中でも最⼤級クラスの建設市場をテクノロジーの⼒でアップデートすべく各種専⾨⼈材が集結している。同社は修⼠・博⼠出⾝者が多いのが特徴であり、それぞれが⾃⾝の専⾨領域や責任感、建設現場や建設を通したモノづくりを重要視する⽬線を持ち、常に課題を楽しむ最⾼のチームであることを⼤切にしているとのこと。
そんな同社は現在仲間を募集しているとのことで、興味をお持ちの方がいらっしゃれば、以下関連情報にリンクの記載のある同社の公式サイトよりお問い合わせいただきたい。

※1 2020年国⼟交通省調べ(⼟⽊・建設・リフォームなどを含む)

関連情報

シェアラボ編集部

3Dプリンタ―の”先進っぽさ”を感じさせる作りに男心をくすぐられる毎日。さまざまな業界にて活用されるアディティブ・マニュファクチャリングの今をお届けします!最近のニュースは、鳥を飼い始めたこと。

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