ShareLab NEWSハイライト記事ー2022年4月

毎日こまめに3Dプリンター関連のニュースを追いかけるには、時間と労力が必要だ。そこでShareLab NEWS編集部が2022年4月を振り返り注目のトピックスをまとめた。4月は自動車、バイク、航空宇宙業界でのニュースが目についた。またEV化の動きの中で、脱自動車を志向する群馬県の地元製造業を巻き込んだ群馬積層造形プラットフォームについても取り上げているので、ご覧いただきたい。
<自動車・バイク・航空宇宙の業界動向>
前田技研、新たな受託造形サービスを開始し大型3Dプリンターによる部品製造市場を開拓へ
前田技研はエクストラボールド社の大型ペレット式3Dプリンターを導入し、自動車・バイク部品製造分野での取り組みを行おうとしている。
フォード、自律型ロボットで3Dプリントを自律化
アメリカの自動車メーカー「フォード」は3Dプリンターの導入を継続的に進めている。KUKA社製の産業用ロボットを使って、Carbon社製の3Dプリンターからの造形物取り出しなどを自動化した。3Dプリンターによる連続生産の実現は、省コスト化、省人化といったトレンドの元、大きく注目されている分野。元フォードCEOや元デュポンCEOを経営陣に持つCarbonが材料開発から開発しフォードのAM製造への取り組みを支援しているようだ。
仏自動車メーカーのプジョーがカーアクセサリーを3Dプリンターで製造
フランスの自動車メーカー「プジョー」はHP社の3Dプリンター「Jet Fusion」を使ってドリンクホルダーなどのカーアクセサリーを造形し、新型308モデル向けの最終部品として提供している。材料はに熱可塑性ポリウレタン系材料である「Ultrasint TPU」が採用されている。
メーカー公式バイクに3Dプリンター製パーツが!ドゥカティ社最新の取り組み
イタリアのバイクメーカー「ドゥカティ」のレース専用車両に3Dプリンター製パーツが採用されている。この部品はイタリアの3DプリンターメーカーRoboze社の3Dプリンターで作られたものだ。
業務用3Dプリンター市場、2026年に約6,300億円に成長見込み
NASAは、2023年度予算要求において、前年度比較で4.7%増となる260億ドルを連邦政府に提示していることを報じた。予算要求書には、月面の砂を材料に造形を行うRRPプロジェクトや、人口衛星に3Dプリンターをはじめとした製造装置を組み込むOSAMプロジェクトなど、3Dプリントに関する記述もある。
【業界別動向】航空宇宙業界3Dプリンター市場は年平均成長率26.6%の見通し
GE Aviationのシンガポール工場は、メンテナンス・修理・オーバーホール(Maintenance Repair Overhaul:MRO)に3Dプリンター技術を利用することに関し、世界で初めて承認を受けた。MRO分野(保守・補修用部品調達分野)にも3Dプリンターを活用することで、生産性の向上を目指す。シンガポールは国土の狭さという制約もあって本腰が入らなかった製造業分野をAM技術への振興施策で大きくテコ入れしようとしている。
<新ビジネス・事例>
ほぼ毎日3Dプリンターに関する情報発信を行っているシェアラボ編集部が厳選した、2022年4月の特筆すべき
ビジネスでの3Dプリンター活用事例をご紹介していく。
イノベーションを形に。ミシュランが群馬積層造形プラットフォームとはじめた挑戦。
群馬県への本社移転も発表している仏資本のタイヤメーカーの日本子会社であるミシュランジャパンは、群馬県の地元製造業とともに群馬積層造形プラットフォーム(GAM)を立ち上げている。ミシュランジャパンの群馬拠点でその活動の中核拠点となるAMアトリエの開所式を行った。シェアラボ編集部はその開所式に参加したので報告したい。
大阪大学・島津製作所・シグマクシスが培養肉分野で協業を決定
培養肉の研究を進める大阪大学、島津製作所、シグマクシスの取り組みがネイチャー誌に掲載された。シグマクシスは三菱商事も出資するコンサルティングファーム、投資会社でフードテック分野での取り組みにも強い。
小型水力発電装置レンタルサービス「LIFE PARTS」を開始 -リコー
農業用用水路などに設置でき、農業用の電力を提供できる小型水力発電機のレンタルサービスをリコーが開始した。リコーは独自の金属3Dプリンター開発を進めるほか、子会社のリコー・ジャパンで産業用3Dプリンターの販売、造形受託事業を推進している。
Nexa3D社が新型3Dプリンター「NXE 200」を発表
独自の光造形方式で1分間に10㎜の造形を可能にしたことで一躍脚光を浴びたネクサ。国内でもDMM.makeはじめ、製造点数の多いサービスビューロはすでに導入しているが、その廉価機が発売された。