金属AM(積層造形)事業強化に向けAMソリューションセンターを設立-日立金属株式会社
日立金属がAMソリューションセンターを設立
日立金属株式会社(以下、日立金属)は、金属積層造形(金属3Dプリンタ)事業の強化に向けて、2020年4月1日付で金属材料事業本部に「AMソリューションセンター」(Additive Manufacturing Solution Center)を設立すると発表した。
金属積層造形だけでなく、粉末射出成形や精密鋳造といった幅広い造形分野を対象に、素材、設計、加工、レシピまで含めたソリューションを提供していくとのこと。
日立金属は、2017年4月に持続的成長と社会貢献に資する中長期の先端材料研究開発テーマを推進することを目的として、新しいコーポレート研究所「グローバル技術革新センター Global Research & Innovative Technology Center(略称:GRIT(グリット))」を設立している。
GRITでは、材料技術・製品における脅威と機会の両面を視野に入れた中長期研究テーマに取り組んできた。
その一例として、5種以上の元素が同程度含まれる合金であるハイエントロピー合金の積層造形などに取り組み成果を上げている。ハイエントロピー合金は「過半を占める主要元素が存在しない」ことが特徴で、強度と耐食性に優れる一方、鋳造性や加工性が難しいといわれている新素材だ。
こうした動きをさらに加速させるために、「AMソリューションセンター」では、GRITや冶金研究所で培ってきた金属積層造形だけでなく、粉末射出成形や精密鋳造といった幅広い造形分野にも対象範囲を広げる。
また「3Dプリンタ オープンラボ」を開設し、国内外の研究機関や学術機関、民間企業とともにオープンイノベーションを推進していく考えで、 自社単体、グループとの連携にとどまらず、素材や造形の分野において社外パートナーとの協創を推進していく方針だ。
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2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。