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金属用3Dプリンタの需要増に備え大同特殊鋼が高機能金属粉末の生産体制を増強

中部経済新聞によると、愛知県名古屋市に本社を置く大手特殊鋼メーカの大同特殊鋼は、電子部品などの材料となる高機能粉末製品の生産体制を増強する。愛知県名古屋市港区の築地テクノセンターの生産ラインを増設し、設備も新規導入するという。新ラインの稼働は2019年10月に稼働を見込んでおり、今回の投資額は約15億円を見込むという。車載用リアクトル(ハイブリッドカーや電気自動車に搭載される電圧調整装置。ダストコアと呼ばれる金属粉を利用した鉄芯をもつ)や3Dプリンター(金属積層造形)用の素材パウダー用途で需要が拡大すると見込んでおり、高機能粉末製品の売上高を2025年度に18年度実績比4倍に引き上げる計画だ。

高難作材を積層造形で。

金属積層造形自体が難作材や複雑な造形に向いていることからもわかるように、高機能金属粉末製品の需要は種類・質ともに、拡大傾向が見込まれている。産業用工作機械各社は、金属3Dプリンタを単機能装置ではなく、マシニングセンタに代表される複合工作機械に取りこむ方向で装置開発を行い、積層造形の未成熟な部分を前加工、後加工で補う現実的な対処ができる機械に仕上げてきている。

金型補修など迅速な対応が業績に直結するシーンでのニーズや高機能・高付加価値製品の開発に貢献する生産設備として難加工素材の複雑な形状造形への対応などで生産装置メーカのプレゼンも盛んだ。

こうした機運を受けたパウダーの増産や多品種化対応は試作・開発現場に対する大きな追い風になりうる動きだ。今後の展開を見守りたい。

編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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