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Formnextアワード2024発表!AMの新たな基準を打ち立てる

Formnextアワード2024のページより。

Formnext2024はアワード形式を通じて、アディティブ製造の分野における卓越した才能とアイデアを際立たせている。審査員評価と一般投票を経て、11月21日の授賞式で受賞者が発表された。主に次の6つの賞が発表された。「Axolotl Biosciences社(スタートアップ賞)」「Oryx Medicals(ルーキー賞)」「Ceratizit社(サステナビリティ賞)」「Siemens / 3D-PROCESS研究コンソーシアム(デザイン賞)」「Fraunhofer IGCV社([R]Evolution賞)」「AM of Bones, シュトゥットガルト大学(AMbassador賞)」。これらの受賞者は、アディティブ製造の未来を切り拓く存在として高く評価された。(上部画像はFormnextアワード2024のページより。出典:Mesago Messe Frankfurt GmbH)

スタートアップ賞

スタートアップ賞は、実現可能なビジネスモデルを持つ若く刺激的な企業を対象に授与される。今年の受賞者は、カナダの企業「Axolotl Biosciences社」である。この企業は、「TissuePrint」という研究用のキセノフリー(動物由来成分不使用)バイオインクを開発した。このインクは多種多様な感受性の高い細胞に対応し、印刷後も90%以上の細胞生存率を維持できるとされる。

審査員の一人であるAM Venturesのマネージングパートナー、アルノ・ヘルド氏は、今年のスタートアップ賞ファイナリストが見せた卓越した革新に感動を覚えたと語る。

ルーキー賞

今年のルーキー賞は、Oryx Medicalsが受賞した。この賞は、まだ会社を設立していない、または設立から1年未満の有望なビジネスアイデアを持つ個人やチームを称えるものだ。Oryx Medicalsチームは、大動脈弁狭窄症の治療を革新することを目的とした3Dプリントによる大動脈弁を開発した。この患者特有のメカニカルバルブは、従来のメカニカルバルブの耐久性と、低侵襲の経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)の利点を兼ね備えている。

審査員であり、nLight社(アメリカ)のAMマーケット開発マネージャーであるアレックス・キングスベリー氏は、ルーキー賞に応募されたアイデアの質に驚嘆したと語る。

サステナビリティ賞

サステナビリティ賞は、生産プロセスだけでなく、製品のライフサイクル全体を基に評価される。2024年の受賞者は、耐久材料向けの切削工具とソリューションを専門とするCeratizit社である。同社は、バインディング剤と焼結を用いて硬質金属をアディティブ製造する独自の手法を開発した。この技術により、従来の製造で必要とされる原材料を91%削減し、それに伴う炭素排出量も95%削減できることを実証した。

審査員でありFHアーヘン応用科学大学の製造技術・機械ツール学教授であるクリスティアン・アーレンツ教授は、「サステナビリティのテーマがアディティブ製造業界に確実に浸透していることは明らかです。多くの応募者がライフサイクル分析を通じて具体的な貢献を示せたことに特に感銘を受けました」と述べた。

デザイン賞

デザイン賞は、卓越したアディティブ製造設計を評価するものである。2024年は、Siemens / 3D-PROCESS研究コンソーシアム(ドイツ)が受賞した。化学産業における持続可能性向上のための革新的なリアクターデザインを発表。このシステムは、医薬品有効成分(API)を合成するために設計されており、従来のプロセスに比べてエネルギー消費を最大50%削減できる。また、溶媒の使用量も約50%削減可能である。

審査員でありTUダルムシュタットのデジタルデザインユニット教授であるオリバー・テスマン氏は、「Formnextアワードにおいて技術的な側面を超え、社会的な意義が重要な役割を果たしていることに感銘を受けました」と語った。

[R]Evolution賞

今年の[R]Evolution賞は、鋳造・複合材料・プロセス技術を研究するFraunhofer IGCV社(鋳造複合材料加工技術研究所)が受賞した。この賞は、ユーザーに優れた付加価値を提供する革新的な製品、技術、サービスを評価するものである。受賞プロジェクト「三素材パウダーベッド融合によるバッテリーセルキャップハウジング」は、アルミニウム、銅、セラミックの3素材を使用した特許出願中の技術である。このプロセスは、複雑な幾何学を持つハウジングの製造を可能にし、設計と生産において無類の柔軟性を提供する。特に小規模シリーズ生産に適しており、セル開発者は新しいツールに投資せずに設計を早期に調整することが可能である。

審査員でBMWグループのアディティブ製造専門家であるマキシミリアン・ビンダー博士は、「この製造コンセプトは、アディティブ製造における全く新しい応用分野を切り開く可能性を秘めています。その高い精度と効率的な素材利用は、従来の多素材プロセスを凌駕するものである」と評価した。

AMbassador賞

AMbassador賞は、革新的な教育・トレーニングアプローチや個人的な提唱活動を通じて、業界やユーザーに独自の影響を与えた個人または組織を評価する。今年の受賞者はシュトゥットガルト大学のAM of Bonesプロジェクトである。同大学は、フライブルク大学病院の歯科医と協力して革新的な歯科用骨移植片を開発した。このプロジェクトには、新しいセラミック充填樹脂の調合、高精度な骨インプラントの設計、およびDLPステレオリソグラフィーの最適化が含まれる。また、複雑なトラベキュラ構造の細孔を完全に洗浄し、滅菌されたセラミックインプラントを製造するプロセスも含まれる。

審査員でDaimler Trucks & Busesのアディティブ製造コンピテンスセンター責任者であるラルフ・アンデアホフスタット氏は、「AMbassador賞への応募者が提出した素晴らしいアイデアの数々と、その成熟度の高さに非常に感銘を受けました」と述べた。

Formnextアワード2025の応募について

2024年のFormnextアワードは、優れた応募作品と高い参加率で締めくくられた。すべての受賞者とファイナリスト、およびその応募内容の詳細については、www.formnext.com/awardsを参照されたい。2025年のFormnextアワードへの応募受付は2025年春に開始予定である。

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