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Raise3Dが新製品「E2CF」を発表。高耐久・高強度・軽量なカーボンファイバー製品の製造を実現

The 2021 3D Printing Industry Awards にて、米カリフォルニアの3Dプリンターメーカー Raise3D はCF強化フィラメントに最適化された工業用3Dプリンター「E2CF」を発表した。

Raise3D社製「E2」とは

Raise3Dは、2015年の創業から一貫してFDM(熱溶解積層)方式の製品を製造・販売する工業用途志向のメーカーだ。EU圏を中心に製品展開を行っているが、アメリカやアジアに支店も多い。

「E2」シリーズは「使いやすく」「耐久性があり」「手頃な価格で購入できる」ことを目指したデスクトップ3Dプリンターで、IDEX(Independent Dual Extruders)技術とフレキシブルビルドプレートを採用している。

IDEXとは、フィラメント(細長いワイヤー状の3Dプリンター材料)を吐出するノズルを2つ有し、各ノズルをそれぞれ独立に動作させる技術である。靴底のように対称的な形状の構造物を同時に作ったり、片方の材料を犠牲層として構造を支持したりと、3Dプリントの幅を広げる役割を持つ。

IDEXと名付けられた、ノズルを2つ使う技術。プリンター内には独立して動くノズルが3つある。
対称的な構造(BCN3D社 Webページより抜粋)
犠牲層の説明図。IDEXを使い、片方のノズルで支えとなる柱をプリントし、もう片方で出力したいモデルを出力する。
一方を犠牲層として形状を保つ(BCN3D社 Webページより抜粋)

フレキシブルビルドプレートは「E2」シリーズの利便性を高める。吐出されるフィラメント第一層が接触する水平面をビルドプレートと呼ぶが、これに柔軟性を持たせることで構造物の取り外しを容易にした。

フレキシブルビルドプレートをたわませている写真。プラスチックの下敷きの様にたわむ。

Raise3Dは徹底してユーザーのニーズを先取りし、答えを提示してきた。

新製品「E2CF」

このほどRaise3Dが発表した「E2CF」はE2シリーズの後継機で、CF(カーボンファイバー)を配合した強化フィラメントの使用を特徴とする。

CF強化フィラメントにより製造された3D構造物は、従来より軽量で、摩耗に対する強固な耐久性や 72 MPa もの引張強度耐性を持つ。こうした特徴は工業用治具や部材の3Dプリントに最適である。

販売価格はアメリカで4,499ドル、ヨーロッパで3,999ユーロ(いずれも日本円で約50万円 / 2021年8月現在)。2021年末リリースを予定している。

Raise3D E2CF SPECIFICATIONS

Build Volume (Single Extruder)330 x 240 x 240 mm
Build Volume (Dual Extruder)295 x 240 x 240 mm
Print Head Travel Speed30 – 150 mm/s
Layer Height0.1 – 0.25 mm
Nozzle Diameter0.4mm (0.6/0.8mm available)
Max Nozzle Temperature300 °C
Machine Size607 x 596 x 465 mm
Net Weight32.4 kg
ConnectivityWi-Fi, LAN, USB, live camera

Raise3Dの目指すもの

The 2021 3D Printing Industry Awards での発表時、Raise3D社グローバルCEOの Edward Fengは以下のように語った。

Raise3DはCF強化フィラメントを用いた3Dプリンター市場における(導入実現への)溝を埋め、デスクトップレベルのCF強化フィラメント印刷を手頃な価格で提供する。これは、「少量生産や迅速な製造が求められる場面にも柔軟に対応できる製造ソリューションの促進・実装を主導する」という私たちの使命に関するステップである。

Raise3D グローバルCEO Edward Feng氏のコメント

Raise3Dは、今後も工業用3Dプリンター市場のニーズに応え続けることで、市場を牽引していこうと考えているようだ。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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