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JAXAの革新的将来宇宙輸送プログラムで高強度アルミ合金研究提案が採択ー株式会社UACJ、三菱重工

ロケット

株式会社UACJは三菱重工業株式会社と共に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)の革新的将来宇宙輸送プログラムの第2回研究提案に応募し、「WAAM向け高強度アルミニウム合金ワイヤーの開発」が採択された。今後は、9月のJAXAとの共同研究開始に向け、三菱重工とともに、共同研究の実施計画を作成し、契約の締結を進めていく。

UACJの強みを活かした共同研究

株式会社UACJは、グローバルに事業を展開する日本発の総合アルミニウムメーカー。2013年に古河スカイ株式会社と住友軽金属工業株式会社が経営統合し発足した。いずれも国内屈指の歴史と実績をもつアルミニウムメーカー2社が統合したことで、アルミニウム圧延品(板製品)の生産能力は年間100万トンを超え、国内はもちろん、世界でもトップクラスの規模となっている。

グループ内に板、自動車部品、押出、箔、鋳鍛、金属加工の6つの事業を持ち、飲料缶、自動車、IT機器、空調、航空宇宙産業などの幅広い産業分野にアルミニウム素材を供給している。アルミニウム板事業では、北米・タイ・日本の3極グローバル体制を構築しており、自動車部品事業では、北米・中国・日本で合金開発から設計までの一貫生産体制を活かしたビジネス展開を行っている。2022年3月期の売上高は7,829億円で、グループ従業員は約9,600人。

WAAM方式でアルミを造形し重たい燃料タンクを軽量化する研究

WAAMとは、ワイヤー材料を使った溶接に近い形の金属3Dプリンティング方式のこと。ワイヤー材料を使うことで造形速度が速く、材料の管理も容易だが、精密な造形は得意ではない。最終仕上げまでをAM造形でねらわずに、ニアネットシェイプに造形し、後加工をいれて仕上げることで、納期的にもコスト的にも大きなメリットを発揮することを狙う。

ワイヤー状の金属材料を熱源で溶かして造形するWAAM方式

JAXAによる今回の研究提案募集は、2030年頃に打ち上げを目指している次世代ロケットに使用する技術研究を対象にしている。 今回の提案は従来アルミニウム板材を加工・溶接して製造していたタンクを、3Dプリンターで製造するというもので、株式会社UACJと三菱重工は、得意とするアルミ材をAM技術を用いて、ロケットの燃料タンクを、3Dプリンティング技術ならではの複雑な形状で造形し、強度を保ったまま軽量化することを目指す
ロケットをはじめとした航空宇宙分野では、軽量化の目的からアルミニウムが使用されてきたが、さらなる加工工程削減によるコストダウン・納期短縮へのニーズが存在する。宇宙に打ち上げるロケットの軽量化は宇宙産業にとって永遠の課題ともいえる打ち上げコストを、削減できるため期待は大きいはずだ。

宇宙産業でのAM活用は今後も進む

共同研究のパートナーである三菱重工は、ロケット分野でも取り組み実績を積み重ねてきた他、グループ会社である三菱電機では、国産のWAAM方式の金属3Dプリンターを擁する。

日本は宇宙関連産業への取り組みを行うベンチャー企業の数こそすくないが、高度な軌道計算を行う人的リソースもスーパーコンピューターなどの計算資源も、ロケット製造に必要な精密加工ができる産業集積も先端素材も一国で賄うことができるポテンシャルを持っている。世界でも有数のポテンシャルを一大産業でもある宇宙分野で花開かせることができるか。シェアラボニュースでは今後も日本や世界での宇宙分野でのAM技術活用を追いかけていく。

宇宙産業に関連するAM技術の活用

ShareLab編集部

メーカーの研究開発職として新素材開発に従事後、特許庁で特許出願の審査業務を10年以上経験。弁理士として独立後は、企業の知財戦略をサポートする傍ら、3Dプリンターをはじめとした先端技術に関する情報発信を行っている。趣味は深夜のショッピングチャンネル鑑賞。

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