1. HOME
  2. ブログ
  3. 英40代男性が世界初、3Dプリンター製義眼を使用

英40代男性が世界初、3Dプリンター製義眼を使用

イギリスのロンドンに位置するムーアフィールズ眼科病院NHS財団トラストの患者が、2021年11月25日、世界で初めて完全デジタル3Dプリント義眼を初めて使用したとして話題に上がった。

3Dプリンターでつくる義眼のメリット

3Dプリンターで義眼を製造するメリットは大きく2つある。

ひとつは、従来の製造より、瞳孔が鮮明でリアルな深みを持つリアルな義眼であることだ。従来の方法とは異なり、眼窩(頭骨の前面にある眼球の入っているくぼみ)の侵襲的な型取りの代わりに、目のスキャンを使用している。

ふたつめは、製造工程が大幅に短縮されたことだ。従来のアクリル製の義眼は、手作業でペイントするため完成までに約6週間かかる。しかし、3Dプリンターなら一度スキャンすれば、2時間半で義眼をプリント可能。その後、眼科医に送り、仕上げ~装着を行うなどすべての工程を含めてもわずか2~3週間で完了する。

最初の患者であるスティーブ氏は、以下のようにコメントしている。

Moorfields patient receives world's first 3D printed eye – The World  Assocation of Eye Hospitals

20歳のときから義眼が必要だったのですが、いつも気後れしていました。家を出るとき、よく鏡に目をやりますが、そのとき見たものはあまり好きではありませんでした。この新しい目は素晴らしいですし、3Dデジタルプリント技術をベースにしているので、ますます良くなっていくことでしょう。

3Dプリンター製義眼を初めて使用した患者 スティーブ・ベルゼ氏

よりリアルを追求した義眼の見た目に惹かれており、今後のさらなる進化に期待し3Dプリンター義眼を選択したようだ。

ムーアフィールズ眼科病院の眼科医で、ムーアフィールズ眼科病院とUCL眼科研究所のNIHR生物医学研究センターの眼科教授であるMandeep Sagoo教授は、「我々は、この完全デジタル義眼の可能性に興奮しています。近々実施される臨床試験で、この新技術の価値について確かな証拠が得られ、患者さんにどのような違いがもたらされるかが明らかになることを期待しています。待ち時間を減らす可能性があることは明らかです。」と、多くの人に利用されるためにさらなる研究を進めていくとコメントしている。

医療現場では解剖学的構造まで再現

今回の例のように、3Dプリンターで義眼を作る事例は以前より行われてきた。

しかし、眼球の解剖学的構造を再現することは難しく、人間の目の解剖学的構造と正確に一致する 高品質な眼球モデルの再現は不可能とされてきた。再現が難しい理由として、眼球は水分を含み非常に柔らかい組織であり、色、感触、複雑さを再現するための素材や色の多様性を既存の3Dプリンターでは再現しきれなかったためだ。

その課題に対してストラタシスの高性能3Dプリンター及び独自の材料を活用することで、いままでにないリアルな3Dプリント製眼球モデルを製造することが可能となった。この眼球モデルの誕生により、製薬会社はより良い医療機器を開発することが可能となり、医師達においては、複雑な目の手術のためのリアルな外科的シミュレーションを行えるようになる。

ストラタシス、リアルな眼球モデルの製作に成功

今後進化する3Dプリンターの機能向上に合わせて再現性の高さの向上及び、3Dプリンター製造のメリットであるカスタマイズ性の高さは医療業界に大きく貢献するだろう。

関連情報

シェアラボ編集部 | + posts

3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。

関連記事