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日野自動車の挑戦!フラットフォーマーを通じて描く未来のありたい姿とそこに至る道筋(その2)日野が描く未来のモビリティの誕生秘話

100年に一度の大変革を迎えているといわれる自動車業界。トラックなどの商用車を手掛ける日野自動車にもその波は押し寄せている。東京モーターショー2019では、全く新しい商用車の在り方を具現化したコンセプトモデル「フラットフォーマー」を発表した日野自動車のデザイナー関口裕治氏にお話を伺った。

展示の概要やプラットフォーマ自体の解説は日野自動車の挑戦!フラットフォーマーを通じて描く未来のありたい姿とそこに至る道筋(その1)も参照されたい。

動画インタビュー

Q: 今回のコンセプトモデル「フラットフォーマー」はいつ頃から検討されていましたか?

二、三年くらい前から考えていました。

Q: ジェネレーティブデザインを活用されたとのことですが、ベースになるデザインをもとに解析をかけて作り直すということを何回か行ったのでしょうか?

そうですね。何度かトライをして作り上げました。どのぐらいの重さのものを積むのか、道路からどういう情報が入ってくるのか、車がどれぐらいねじれるのかなどのシミュレーション結果をもとに、きれいに整えているのが今回のデザインになります。実際の計算結果を反映すると、もっとグスグスの形状になっていました。その計算結果を私達デザイナーの方でトリムをしたり面を張ったりして調整して、まず形状を作りました。

工法については、まだ課題は多くありますが、金属の3Dプリンディングで作るという前提です。HPで一部紹介をしていますが、内製で作った動画があり実際に工場でフレームが作られる様子を見れます。その作られた状態に対してバッテリー 、動力ユニットが搭載され、ボディパネルを付けて自動運転で工場から出荷されるという前提です。タイヤは(ストラタシスの3Dプリンターで造形した)エアレスタイヤですが、こちらも3Dプリンティングを前提に「こうなっていくであろう」という未来を描いたものです。

Q: こういった未来は何年後に形になっていくのでしょうか?

何年というのは中々難しいものの、既に小さな部品は3Dプリンティングで活用されたりしているので、”近い将来こうなったら良いな”という想いで提案させて頂いています。

Q: 新しい方法を検討するにあたり、社内的にも障害などはあったりしましたか?

二つアプローチがあると考えています。今の技術を積み上げるフォアキャスト的なものとバックキャスト的なものです。今回は後者の”こういう世界にするべきだろう”というのをまず置いて、今何をやる必要があるのかということを考えました。目標に向けて出来ていること、出来ていないことがあると思いますが、まずはそこを目標に作ったのが今回の世界で描いた暮らしになります。

Q: あるべき姿から逆算するアプローチですか!今後実現しなければならない課題の取り組みはどのようなものがありますか。

社内でも 研究所があり、材料の部署や3Dプリンティングをやっている部署もあるので、今回のコンセプトモデルは高い目標ではあるのですが、内部で意見を交換しながらやっていきたいと思っています。

Q: 車のサイズ的には小ぶりな感じがしますが 、どのような意図があったのですか?

このサイズは国内で言う4ナンバー枠(全長4.7m 全幅1.7m)でして、最も生活に身近なところでの活躍を想定しています。(次世代のコンセプトの)スタートとしてはここが良かろうということで設定しました。

Q: 最後に、いろいろなメーカーの中で新しい取り組みをしている方達に対して何かアドバイスはありますでしょうか?

私はエンジニアではなくデザイナーなので、技術的なところは語れない部分が多いものの、”どんな豊かな暮らしを描くのか”をまず描くと良いと考えています。未来予測は分析してえがいた世界ですが、そうではなくて”未来はこうするんだ”というという想いで私達はやっているので、エンジニアの方もそういう考えで行えると良いのではないでしょうか 。

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「こうなるだろう」という未来予想は有識者が多く語っているが、その多くは「本気で実現する!」と志した人の手で実現しなければ夢のまま終わってしまう。そこにはたくさんの現実的な障害があり、やらない方が良い理由があるものだ。
しかし、今回の日野自動車のコンセプトモデルフラットフォーマーは、CASE対応という業界の大変革に対応するという危機感や使命感から、「これから新しい価値を実現させるんだ」という意思を強く持ってすすめられたプロジェクトだったようだ。
「こうあるべき姿」を想像し、そこからの逆引きで、ヴィジョンを実現していくアプローチがとられ、かなり現状のプロダクトから飛んだ姿を具現化させている。
商用車はフォーマットが枯れておりある意味遊びが入りにくい分野だとおもう。その商用車を未来という新しい想定を置いて大胆にデザインしなおしたフラットフォーマーには、新しいモノづくりの在り方のヒントがたくさん詰まっているように思う。

関連情報

HINO@TOKYO MOTOR SHOW 2019

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