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Zortrax社、再生計画承認を申請し株式転換による債務削減を目指す

Zortrax社のニュースリリース。

Zortrax社は、2024年8月8日にオルシュティン地方裁判所に再生計画承認の申請を行った。同社の再生計画は、債務の一部を株式に転換し、その他の債務を分割払いで返済することで、財務状況の安定化を図るものである。主要債権者の承認を得たこの計画は、Zortrax社が今後も事業を継続し、成長するための重要な一歩となる。(上部画像はZortrax社のニュースリリース。出典:Zortrax社)

再生計画の概要と背景

Zortrax社は、近年の経済環境の変化や内部の財務的課題によって、企業の持続的な成長を危ぶまれる状況に直面しており、特に債務の増加や収益性の低下が、経営を圧迫する要因となっていた。そこで同社は再生計画の策定に着手し、2024年8月にオルシュティン地方裁判所へ再生計画の承認申請を行う。債務の一部を株式に転換するなどの施策を通じて財務の健全化を図り、企業の再生を目指すものである。この計画は、経営陣と再生管財人であるパウェウ・グウォデク氏との協力により策定されたものであり、取引先や債権者の協力を得て実行される。

債権者の分類と対応

Zortrax社の再生計画では、債権者を3つのグループに分類し、それぞれ異なる対応策を講じることで財務再建を図っている。第一グループには、公的債権者である社会保険機構が含まれ、これに対する債務は24回の分割払いで全額返済されることが提案された。第二グループは、Zortrax社に対する請求額が130,000ポーランドズロチ(約500万円)未満の取引先で、これらの債務も36回の分割払いで全額返済される予定である。第三グループには、130,000ポーランドズロチ以上の請求を持つ取引先が含まれ、これらの債務は株式に転換されることで処理される。この債権者分類により、債務の圧縮と財務構造の見直しを図り、企業の持続的な運営を目指す。

会社の財務再編に向けた具体的措置

また、再生計画の一環として、財務構造の再編に向けた複数の具体的な措置を講じた。まず、プロセスのアウトソーシングや不動産賃貸コストの削減が挙げられる。不動産関連の経費は2023年初頭に比べて約80%削減される見通しで、人件費や社会保障費も約70%削減され、外部サービスにかかるコストも約50%削減される計画である。さらに、収益構造の改善を図るため、直販の割合を増加させることも計画している。これらの措置はすでに一部が実施されており、その効果は今後数か月でより顕著に現れると予想され、Zortrax社は収益性を向上させ、財務の安定化を実現することが可能となるという。

3Dプリンティング市場の現状とZortrax社の展望

昨年のことだが2023年、3Dプリンティング市場はインフレや高金利の影響を受け、一部のセグメントで困難な状況に直面した。しかし、Zortrax社が手掛けるデスクトップクラスの3Dプリンターは、こうした経済的な逆風にもかかわらず、引き続き需要を伸ばしているという現状がある。CONTEXT社のレポートによれば、3Dプリンティング市場は2023年を乗り越え、今後数年間で加速的な成長が見込まれている。特に、パーソナライズされた製品をスケールで製造する能力が、業界全体を変革する可能性が高い。Zortrax社は、世界中に広がる190以上の販売パートナーを通じて、この成長の波に乗り、引き続き3Dプリンターや関連製品を提供する体制を強化する予定である。

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