最短5日間から!3Dプリンターの短期レンタルサービスでものづくり支援―オリックスレンテック
「3Dプリンターを購入するほど使いこなせるか不安」、「すでに一台稼働しているが短期間だけ台数を増やしたい」こうした潜在的ニーズは、デジタルなモノづくりに挑戦している開発、製造現場に存在するに違いない。
しかし、いざ短期間のレンタルができるサービスを探しても、機種が古かったり、金額面で見合わなかったりと中々利用できない場合もあるだろう。そんな方に先日、オリックスグループのオリックスレンテック株式会社(以下、オリックスレンテック)から朗報となる発表があったので、お知らせする。(画像は、オリックスレンテック公式Webサイトより引用)
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国内初の測定器レンタル会社。ものづくりをサポートするソリューションカンパニー―オリックスレンテックについて
電子計測器、科学・環境分析機器、ICT関連機器、医療機器などのレンタルから、中古機器販売、保有機器の買取サービス、校正サービス、計測サービス、試験受託サービス、ICT関連サービス、資産管理・運用支援サービスなどの各種ソリューションを幅広く提供している企業。
同社は、1976年に日本初の電子計測器レンタル会社として創業して以来、ハイテク機器のレンタルを軸にサービスを展開するなか、2015年より金属および樹脂3Dプリンターによる造形受託をはじめとした3Dプリンター事業を開始している。
短期レンタルサービスで利用できる3Dプリンター
対象となる機種は、MarkforgedのMark Two、FormlabsのForm3、SinterritのLisa Proの3機種だ。
Markforged(マークフォージド)のMark twoは国内でも2019年に3,000台以上売りあげたといわれる人気の樹脂3Dプリンターで、その人気の秘密は手軽なFDM方式でカーボンファイバー材料を自由に造形できる点だ。FDMにありがちな庫内の温度管理もさほど気にすることなく手軽に造形できる秘密は同社独自のカーボンの長繊維を含んだ造形材料にあるという。価格帯としては100万円~500万円帯にある製品で、間違いなく人気機種といえるだろう。
Formlabs(フォームラブズ)、Form3のFormシリーズは、ShareLab編集部でもたびたび取り上げさせていただいている。100万円以下で販売されているフォームラブズ独自のLFS方式(光造形方式の一種。SLA方式と呼ばれる方式に近い)の廉価帯の樹脂3Dプリンターでありながら、非常に高い精度と材料の豊富さで人気の機種だ。半透明のオレンジのフード越しに、レジン液から引きあがってくる姿は初めて見る人は感動を覚えるかもしれない。
ポーランドのメーカーSinteritは、SLS方式とよばれる粉末にレーザーを照射して造形していく方式の樹脂3Dプリンターで今年から来年にかけて国内大手販売会社なども取り扱いを開始する予定だという。3Dプリンターとして造形できる材料としては、ナイロン系材料などを備えているようだ(PA12、PA11などがサイトで確認できた)。デスクトップ型のSLS機ということで独自の立ち位置をもつLisa Proの位置づけは非常に面白い。
5日間の短期レンタルと月額費用77%OFFキャンペーン
リリース中では利用料金の紹介がなかったが、5日間からレンタルできるという気軽さは非常に大きな魅力だといえるだろう。
また法人の申し込みに限られるとのことだが、2021年3月31日までの間にお申し込みいただいた法人のお客さまを対象に、『2021年3月31日までの間にお申し込みいただいた法人のお客さまを対象に、月額レンタル料を77%引きの特別料金月額レンタル料を77%引きの特別料金』で提供中という大胆な値引きを実施しているという。
すでに同じ機種を使っておおよその性能を理解している場合は、短期利用が適している。またおおよその性能を理解できていなくとも、5日間からのレンタルが可能なので3Dプリンターの使用感を知るには手ごろなのではないだろうか。3Dプリンターの国内レンタルサービスは、少しずつ広まっているがレンタル期間が長期のみであったり、レンタルできる機種が限定的であったりとまだまだ課題は多い。
そのような意味で、さまざまな造形方式を備えた海外製3Dプリンターを、短期間から利用することが可能な今回のオリックスレンテックのサービス開始によって、3Dプリンターを柔軟に利用できるサービスがまた一つ日本に整備されたことは確かだ。
関連情報
2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。