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シリコンゴムが3D造形できる新機種SILICOM(シリコム)が登場

SILICOM (シリコム)の造形サンプル

樹脂加工からAM分野での活動を本格化させるホッティーポリマー

樹脂成形の加工を行うホッティーポリマー株式会社はAM分野でのビジネスチャンスに着目し、3Dプリンター事業に取り組んできた。高機能フィラメントの製造、受託造形、軽量・高機能なAMソフトウェアnTopologyの活用など、自社でもAMを使いこなしているスタイルを活かしたトータルな取り組み支援を展開してきた。3Dプリンターの装置販売の面でも、ドイツのInnovatiQ社(旧German RepRap社)、INTAMSYSなどの販売の他に、自社独自のエスディーズを販売してきた実績がある。そのホッティーポリマーが2022年11月15日に第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)にてシリコーンゴム3DプリンターSILICOM(シリコム)を初出品した。発売は2023年の春を予定しており、販売予定価格は税抜15,000,000円。

シリコンゴムが3D造形できる新機種SILICOM(提供:ホッティーポリマー)

純粋なシリコーン材料を直接AM造形できる、日本国内生産の樹脂3Dプリンタ―

「SILICOM (シリコム)」はシリコーンゴム材料を、直接3Dプリンターで造形する。 InnovatiQ社と同じ液体積層造形方式(LAM方式)と呼ばれる、液体材料にUV光を照射し硬化させる光造形方式の一種を用いたシリコーンゴム3Dプリンターであり、ホッティーポリマーが独自に取得した特許技術を活かし、シリコーン材料を用いながらも、なめらかな表面性、優れた透明性を実現している。

JIMTOFでの新機種SILICOM展示ブース(提供:ホッティーポリマー)

その実現に一役買っているのは、自社開発のスライサーソフトのようだ。装置の陰に隠れてなかなか表舞台に出てこないスライサーソフトだが、透明部品の造形時のアルゴリズムによって、透明性は大きく変動する。

 SILICOM (シリコム) 製品全体写真
SILICOM (シリコム) 製品全体写真

CADやCAE側に3Dプリンターや材料が対応していない場合に、スライサーソフト側の機能に頼る割合が大きくなる。シリコムは材料の選定をするだけで最適なパラメータをセッティングし、作業者が独自にパラメーター調整をしなくても造形を実現するほか、専用スライサーソフトに搭載されたAI機能がデータを学習することで、ユーザーの造形する対象品を更に最適化するなど、使っていくたびに品質向上を図る機能を搭載している。

 SILICOM (シリコム)  の造形サンプル
SILICOM (シリコム) の造形サンプル

自社で高機能フィラメント材料の製造を行っている実績から、材料メーカーからも研究の相談が寄せられるホッティーポリマーは、樹脂材料全般に知見を広げている。 SILICOM (シリコム) に使われている液体シリコーン材料はカートリッジ方式を採用。硬度変更などの段取り替えを簡素化しているが、今後、低硬度から高硬度まで様々な硬度ラインアップに広げていく予定で、白や透明な材料以外にも色調対応も今後開発予定だという。

SILICOM (シリコム)製品スペック

SILICOM (シリコム) のスペック

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まだ解消されないコロナ禍の影響でグローバル化したサプライチェーンは混乱から抜け出せていない。円安の影響もあって、輸入する3Dプリンターの装置価格は四半期ごとに値上げされている上に、納期が不透明な状況もある有様だが、日本国内生産による安定した供給・保証体制を打ち出したホッティーポリマーは日本の製造業にシリコーン造形可能な強みを打ち出している考えのようだ。
InnovatiQ社も扱うホッティーポリマーが従来型シリコーン3Dプリンターに比較し造形の向上が可能と自信をもって打ち出すSILICOM (シリコム)の実力に期待したい。

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編集/記者

2019年のシェアラボニュース創刊以来、国内AM関係者200名以上にインタビューを実施。3Dプリンティング技術と共に日本の製造業が変わる瞬間をお伝えしていきます。

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