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船舶用部品の3Dプリティング活用プロジェクトに川崎重工などが参画

川崎重工含む新たなコンソーシアム(以下、本コンソーシアム)は、シンガポール海事港湾庁が進める3Dプリンター活用プログラムに採択された。
(画像:ArulonlineによるPixabayより引用)

以前ShareLab編集部にて、船舶用補助部品市場についてご紹介したが、船舶は使う部品も多いということから、今後、従来の機械加工から3Dプリンティングの活用が注目されている。今回は多くの船舶会社がグローバルハブとして位置づけしているシンガポールにて行われている、3Dプリンター活用プログラムについてご紹介したい。

3Dプリンター活用プログラムとは

シンガポール海事港湾庁(MPA)が船舶・船舶部品のデジタル化、積層造形活用の推進のために行っているプログラムで、合計162万5,000シンガポールドル(約1億2,500万円)の補助金交付が決定している大規模なプロジェクトである。本コンソーシアム含む計11のコンソーシアムが3Dプリンターで造形した26種類の船舶部品を、シンガポール船籍に搭載し検証実験を行う。今回はその中の11種類を本コンソーシアムが担当。

本コンソーシアムは、世界有数の海運企業であるウィルヘルムセン・グループをリーダーに据え、
・舶用機器メーカー(川崎重工・Wärtsila・Hamworthy Pump)
・船級協会(DNVGL)
・技術パートナー(thyssenkrupp、Ivaldi Group、Tytus3D)
・エンドユーザー(OSM、Gearbulk、Thome Group、Berge Bulk、Wilhelmsen Ship Management、BW Group、Executive Group、Carnival Maritime、Yinson)で構成されている。

本コンソーシアム主要会社のコメント抜粋

私たちは、海事産業における積層造形技術の導入の障壁を取り除くために、強力でエンドツーエンドなパートナーのエコシステムを構築できたことを大変嬉しく、誇りに思っています。今回の共同研究とシンガポール海事港湾庁の支援により、コンソーシアムのパートナーと一緒に積層造形の価値を高めていきたいと考えています。

Wilhelmsen Head of Venture 3D Printing ハーコン・エレケア

川崎重工は、高品質の舶用機器スペアパーツを3Dプリンタで製造する技術を確立し、スペアパーツの入手容易性を高めることで船舶の安全運航や稼働時間の最大化に貢献したいと考えています。当社は 本コンソーシアムへの参加を通じて積層造形技術の適応可能性の検証を加速していきます。

川崎重工 プロジェクトリーダー 小倉淳史

川崎重工は、船舶の安全運航や稼働時間の最大化を実現する取り組みの一つとして、3Dプリンターによる部品生産を研究を行っている。緊急対応時に必要となる舶用機器の交換部品の入手を容易にするため、部品のデータをデジタル化し、停泊地にある3Dプリンターで生産する技術の開発を進めている。

企業が自社の枠を超えて、考え方やオペレーションに大きなパラダイムシフトを求められる今、3Dプリンター活用プログラムに参加する多くの企業がアイデアを共有し、海運業界全体の作業を活用できる新たな取り組みに今後も注目したい。

シンガポール海事港湾庁(MPA)について

1996年2月2日に設立。シンガポールをグローバルハブポートおよび国際海事センター(IMC)としての発展を目指し、海上サービスや施設の規制や管理や海上交通管理を行っている。

関連情報

シェアラボ編集部

3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。

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