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スイーツ専門の食品3Dプリンター、バレンタイン商戦で一部運用開始

ナショナルデパート株式会社(以下、ナショナルデパート)は、複数種類の食材のインジェクションが可能な新方式のスイーツ専用の食品3Dプリンティングシステム「Topology」(トポロジー)を開発し、2021年のバレンタイン商品から一部運用開始することを発表した。
(写真:トポロジーのコンセプトモデル:ナショナルデパート引用)

スイーツ専用の食品3Dプリンティングシステム「Topology」とは

開発背景と目的

バター専門ブランド「カノーブル」を展開し、日本国内におけるフレーバーバターの先駆者のナショナルデパートが開発。香るバター「ブールアロマティゼ」シリーズで多種多様なフレーバーを開発・製造する中で、モールド作成などの工程で3Dプリンターを積極的に活用し、今回スイーツ自体を3Dプリントするため技術を開発した。

「Topology」(トポロジー)は3Dプリンター単体の開発ではなく、3Dプリントに最適化するためのテクスチャ剤の開発などを含めた食品3Dプリントの総合的なシステムの構築を目的としている。

トポロジーのコンセプトモデル(引用:ナショナルデパート)

トポロジーの仕組みとしては、クリームやスポンジケーキなどのスイーツを構成するための食材を格納するストレージ(上画像右)と食材を射出する4軸アーム(上画像左)で構成されている。容器に密封された状態で機器にセットされた食材は、機器内のポンプで接続したチューブを通してアーム部分に送液されて先端の口金から射出される。

スイーツづくりに特化したトポロジーの特徴

「Topology」(トポロジー)の主な特徴は以下の3点である。

1.複数種類の食材をシームレスに射出

これまでの食品3Dプリンターは食材をシリンダーに収めてピストンで押し出す構造だったが、それでは複数種類の食材を切り替えながらシームレスに射出することができなかった。しかしトポロジーは食材の種類ごとに独立したポンプで制御することで継ぎ目のない射出が可能になった。

2.食材を容器に密閉したままセットで衛生面の安心

トポロジーではスパウトパックに密閉した状態で食材をセットするので異物混入などのリスクを軽減できる。これまでのホッパーとスクリューで充填していた製造機械では時がかかっていたパーツの洗浄なども省力化が可能になる少量多品種の製造に特化したシステムである。

3.立体的な造形で複雑な食味を実現可能

これまでのケーキの製法ではスポンジとクリームの一方向の積層によるものが主流だが、トポロジーでは従来2層しか積層できなかった体積内で、より多数の食材を積層させることができる。これにより、専用のテクスチャ剤を利用するとスポンジケーキなどの固形物も粘体として送液することができ、より複雑な食感を実現することも可能になる。

実際に射出した状態(引用:ナショナルデパート)

※上画像は幅3cm高さ2cm内に5種類のバタークリームと1種類のスポンジケーキを射出したサンプル

3Dプリンターでスポンジケーキなどの造形を可能にするテクスチャ材も開発

テクスチャ剤(引用:ナショナルデパート)

増粘剤や乳化剤を調合したテクスチャ剤も開発。テクスチャ剤を使用することでこれまで3Dプリンターで造形が不可能だったスポンジケーキなどの固形物も粘体として送液が可能となり、機械耐性の向上や耐冷凍性の向上など実現する。

実用化に向けて自社製品の実証実験を進行中

バターケーキの断面(引用:ナショナルデパート)

トポロジープリンターの試作機はすでに自社製品のシンギュラリティバターケーキの製造でも一部テスト運用され、バターで成形したモールド内部に6種類のマテリアルの射出に成功している。課題点などを検証しながらまずは自社製品製造での活用を目指しているとのこと。

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