XYZプリンティングジャパン社、専門的なノウハウを持つ企業との協業を推進、新素材の認定へ
XYZプリンティングジャパン社は、太平洋セメント社の3Dプリンター材料「TCaST」を3Dプリンター「PartPro350xBC」専用に改良した「TCaST for XYZ」について、純正パウダー同様の保守サポートサービスの実施を2021年11月29日に開始。これに併せて、通常450万円のプリンター本体価格を、台数限定で320万円(税別)まで値下げする。
XYZプリンティングジャパン社の3Dプリンター「PartPro350xBC」はバインダージェッティング方式。平らに敷き詰めた金属の粉末にノズルから選択的に液体の結合材(バインダー)を噴射して固形化する方式だ。PartPro350xBCは、色のついた結合剤を複数混ぜることで、フルカラー造形が可能。
新素材「TCaST for XYZ」が出力素材として認定される
今回、3DプリンターPartPro350xBC専用に開発された素材、TCaST for XYZは2021年11月29日から純正パウダー同様の保守サポートサービスが受けられる。これは多くのユーザーが同材料の導入検討を開始している背景を踏まえたものだ。
XYZプリンティングジャパン社は近年の3Dプリンター市場における使用用途が多岐に渡る状況を鑑みて、自社純正3Dプリント材料のみで市場ニーズに全て対応することは困難と判断。すでに国内市場で求められる材料の開発で、専門的なノウハウを持つ企業との協業を積極的に進めていると発表した。
XYZプリンティングジャパン社はTCaST for XYZ使用時の最適なパラメータ値を提供し、太平洋セメントとも協力しながらPartPro350xBCでの高精度造形をサポートしていくとのこと。
同素材利用においての不具合発生時には、同社純正材料と同一の保証サービス内容を提供される。
TCaST for XYZの特徴
TCaST for XYZは耐火度が高く、アルミから鋳鋼まで、素材ごとに異なる幅広い注湯温度に対応した特殊材料だ。鋳型をダイレクトに製作でき、中子取りや型抜きなどの造型工程を簡略化できる点でメリットがある。TCaST for XYZによる鋳型は、木型や金型では必要な抜け勾配や分割面を考慮しなくてよいため、複雑な形状の鋳物であっても受注から納品に至るまでの時間を大幅に短縮することが期待できる。
XYZプリンティングジャパン社はTCaST for XYZの採用をきっかけとし、日本のものづくり市場にとって最適な材料やサービスを提供し続けると発表した。
今回のXYZプリンティングジャパン社と太平洋セメント社の例のように、市場で求められる材料の開発のために専門的なノウハウを持つ企業との協業をパターンは増加してくるかもしれない。
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