鎌倉市立由比ガ浜中学校に3Dプリンターが寄贈される

2025年4月に開校する「学びの多様化学校(不登校特例校)」である鎌倉市立由比ガ浜中学校に、3Dプリンターが寄贈されることとなった。寄贈者は、慶應義塾大学政策・メディア研究科特任講師であり、「リサイクリエーション慶應鎌倉ラボ」を主宰する湯浅 亮平 氏。寄贈される3Dプリンターは、Bambu Lab社製「PF001-U+SA001-JP」で、2台が提供される。(上部画像は鎌倉市、市政情報より。出典:鎌倉市)
目次
不登校特例校とは
不登校特例校とは、文部科学大臣の指定を受け、不登校の児童・生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成し、柔軟な学びを提供する学校である。公立・私立を問わず設置され、全国に35校(公立21校、私立14校)が存在する。不登校の子どもたちが安心して学べる環境を整え、多様な学びの機会を提供することを目的としている。一般的な中学校と異なり、個別学習の充実やICTの活用、プロジェクト型学習などが取り入れられることが多い。生徒の自主性や興味関心に応じた学びを重視し、社会とのつながりを深める教育が実施される。
学びの多様化学校(不登校特例校)由比ガ浜中学校とは
「学びの多様化学校」は、文部科学大臣の指定を受け、不登校児童・生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成し、教育を実施する学校である。全国では、公立・私立を合わせ35校が設置されており、由比ガ浜中学校もその一つとして新たに開校する。
文部科学省が指定する「学びの多様化学校(不登校特例校)」※申請中
- 一般の中学校より授業時数を減らし、自分のペースで学べる柔軟な教育課程を編成
- 令和7年4月開校
- 鎌倉市立御成中学校の分校として設置
- 江ノ電由比ヶ浜駅付近に新たに校舎を建設
- 定員は30名(各学年10名)程度
- 他の市立中学校と同様にデリバリー式給食を提供
- 学区は市内全域
3Dプリンターの活用と寄贈者の想い
この3Dプリンターは、由比ガ浜中学校において探究活動やSTEAM教育の一環として活用される予定である。STEAM教育とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Mathematics)を統合的に学ぶ教育手法であり、3Dプリンターはその実践に適したツールといえる。
寄贈者である湯浅 氏は、自身の経験を振り返りながら、3Dプリンターを「考えを形にするためのツール」であると同時に、以下のように述べている。
「考えを形にするためのツール」であると同時に、「世界とつながり、自分を外に拡張するためのツール」と捉えていると語る。中学生の時期は、自己を見つめつつ他者との違いを受け入れながら、興味を探求する絶好の機会であるとして、「由比ガ浜中学校の構想を知り、多様な機会が提供される場として期待が膨らんだ。肩肘を張らず、時にはユニークなものを作り、見せてくれるとうれしい」
寄贈式の詳細
寄贈式は2025年3月5日(水)10時30分より、鎌倉市教育委員会教育長室(鎌倉市役所第4分庁舎2階)で開催される。湯浅亮平氏からの3Dプリンター寄贈を記念した式典で、取材を希望する場合は、前日までに事前に連絡をする必要がある。
3Dプリンターと教育をつなぐ研究者・湯浅 亮平 氏
湯浅 亮平 氏は、慶應義塾大学政策・メディア研究科の特任講師であり、「リサイクリエーション慶應鎌倉ラボ」を主宰する研究者・教育者である。3Dプリンターを活用したものづくりやリサイクル技術の研究に取り組み、STEAM教育の推進にも力を注ぐ。自身の経験から、3Dプリンターを単なる製造ツールではなく、世界とつながる手段と捉えており、教育現場への導入を通じて子どもたちの創造力育成に貢献している。
由比ガ浜中学校において3Dプリンターがどのように活用され、生徒たちの学びにどのような影響を与えるのか、今後の展開が期待される。
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