Stratasys、ToughONE導入でPolyJetの機能試作と実用部品製造に対応拡大

Stratasys Ltd.(イスラエル・レホボト市、以下、Stratasys)は、PolyJet技術による高性能プラットフォーム向けに、耐久性と堅牢性を備えた素材「PolyJet ToughONE White」を発表した。この素材は、従来のPolyJetの特徴である使いやすさ、フルカラー表現、マルチマテリアルの柔軟性を維持したまま、機能的な強度を実現している。(上部画像はStratasysのプレスリリースより。出典:Stratasys)
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PolyJetに新たな可能性をもたらすToughONEの登場
この新素材の導入により、StratasysのPolyJetプリンティングは、優れた設計精度と機能的強度を兼ね備えた3Dプリンティング技術として位置づけられる。エンジニアやデザイナーは、視覚的な再現性と機能性のどちらかを選ぶ必要がなくなり、美観や耐久性を損なうことなく、試作やエンドユース部品を製作できるようになるという。
PolyJet ToughONEの実力と応用分野
PolyJet ToughONEは、衝撃耐性と柔軟性を強化しており、ドリル加工、フライス加工、セルフタッピング(ねじ込み)機能も可能である。本素材は、あらゆる市場分野における機能的プロトタイプの製作に最適であり、製造用治具や固定具、カラーラベリングが可能な製造支援ツールの高精度な作成に適している。さらに、消費者向け電子機器のカスタム筐体、ブラケット、カバー、耐衝撃部品、産業用ロボットのエンドエフェクターといった用途にも最適である。加えて、自動車、消費財、眼鏡といった分野においても、同素材の応用が期待される。

ToughONEがもたらす開発スピードと品質の両立
StratasysのChief Business Unit OfficerであるRich Garrity氏は次のように述べている。
「製造業では、新製品の開発にあたり、スピード、コスト、性能のバランスを常に求められている。設計のやり直しが増えるほど、遅延とコストがかさむ。ToughONEによって、設計から機能試験までの流れが迅速化し、精度と性能の両立を実現できる」
ToughONEの性能をRAPID 2025で初披露
PolyJet ToughONEは、薄肉構造、スナップフィット、ライブヒンジなどの複雑な形状を、高い寸法精度と表面品質を保ちながら造形可能である。他のPolyJet素材との統合も可能で、機械的特性や色を一つの部品内で組み合わせたハイブリッドモデルの製作にも対応する。
Stratasysは、2025年4月9日にデトロイトで開催されるRAPID 2025において、PolyJet ToughONE素材および造形サンプルを初公開し、同素材がいかにワークフローを効率化し、製造現場の生産性を高めるかを披露する予定である。
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