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3Dプリンターでサウナ建設、建設業の人手不足と工期短縮に対応

建設中のサウナ

2023年11月、高知県に本社を構える和(かのう)建設株式会社が、日本唯一の建設用3Dプリンターメーカーの株式会社Polyuse(ポリウス)と共同で、高知県芸西村のグランピング施設「NAMITERRACE GEISEI(ナミテラス芸西)」内に、建設用3Dプリンターを用いてサウナを建設した。省人化と従来工法に比べて工期を2~5割ほど短縮することに成功したという。建設用3Dプリンターの活用は、建設業界の深刻な人手不足を解決する手段として期待されている。(上部画像は建設中のサウナ。出典:和建設社)

建設された3Dプリントサウナについて

建設されたサウナは、あらかじめPolyuse社の建設用3Dプリンターでバウムクーヘン状のブロックを約60個製造し、それを現地で積み重ねることで外壁が造られている。ブロックの材料は砂やセメント、水などを混ぜ、程よい粘度のある独自開発のモルタルだ。

建設用3Dプリンターでブロックを製造するようす
建設用3Dプリンターでブロックを製造するようす(出典:和建設社)

現在の建築基準法では、3Dプリンターを使った工法やモルタルの使用が想定されていない。そのため、サウナ内に鉄骨を配置することで、現状でも容認される方法で建設された。

サウナ外壁の材料などにかかった費用は、ブロックを製造した2022年夏の段階で約800万円だったが、現在は材料を見直すなどのコストダウンで3分の1程度に抑えられるという。

コンクリートを使った建設では、一般的に固めるための型枠が必要になる。しかし、3Dプリンターの造形には型枠が不要なため、省人化や作業の効率化が期待できる。また、国内の型枠職人は高齢化が進み、人手不足な状況にある。3Dプリンターの活用は、人材不足の問題の解決にもつながるだろう。

サウナの内観
サウナの内観(出典:NAMI TERRACE GEISEI)

今回のサウナ建設プロジェクトの背景には、国内の建設業界における深刻な人材不足や費用面での大きな負担といった課題がある。ShareLab NEWSでは、3Dプリントサウナの建設の発表時に詳しく記事にしているので、以下のリンクより、あわせてご覧いただきたい。

近い将来、道路橋や河川管理施設などの多くが老朽化するとされている。少ない人手で補修をまかなうには、技術革新が必須だ。

円すい台部分が3Dプリンターを用いて造られたサウナ
円すい台部分が3Dプリンターを用いて造られたサウナ(出典:NAMI TERRACE GEISEI)

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今回のニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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