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世界初 研究所で生産された3Dプリント・チキンナゲットを提供-Kentucky Fried Chicken

ロシアのケンタッキーフライドチキン(Kentucky Fried Chicken 以下 KFC)は、「未来のレストラン(Restaurant of the future)」と題した革新的なコンセプトの一環として、ロシア最大の民間医療関連企業 INVITRO によって設立されたバイオプリンティング企業 3D Bioprinting Solutions(3Dバイオプリンティング・ソリューションズ)と共同で、バイオプリンティング・チキンナゲットを開発した。
モスクワ市内の店舗で2020年秋から提供を開始する。(画像:mikegiによるPixabayより)

3Dバイオプリンティング技術とは

3Dプリンターの技術を用いて、細胞パターンを作り出す技術のことである。
今まで、医学の世界で広く活用されている技術で、シカゴでは昨年「ミニチュア心臓」を作ることに成功し、サイズは小さくても細胞組織は同じ心臓を作成した。今回、その技術を応用し鶏の細胞組織や植物素材を用いて、鶏肉の味や食感を再現するバイオプリンティング技術を開発した。

従来の農業や畜産で作り出された食肉との違い

・添加物が少ない
・肉の生産に伴うエネルギー消費を削減
・温室効果ガスの排出量削減
・土地利用を100/1に削減

このように、エコフレンドリーかつクリーンであることが特徴である。
健康志向の高まりに応じて需要が高まる代替肉と、より環境にやさしい食品生産方法の開発のために実施されており、世界で初めて研究所で生産されるチキンナゲットである。味や見た目もKFCオリジナル商品に限りなく近いが、従来の食肉よりもヘルシーで環境にやさしいものとなっている。

食品の未来に関わる実験―KFCの取り組み

「未来のレストラン」を作ることをコンセプトに掲げ、その第一歩として代替肉を作る開発を進めてきた。
2019年には100%植物原料で再現した「Beyond Fried Chicken(フライドチキン越え)」を1日限定で販売したところ、5時間で完売するほどの人気で、現在まで南カルフォルニアの60店舗で販売。今回はロシアでのプロジェクトとして、世界初の研究所で生産されたチキンナゲットを2020年秋からモスクワ市内のKFCでテスト販売を予定している。
このような食品の未来に関わる実験は、増加する人口に食糧を安定して配給するための環境負荷が少ない食肉生産など、世界が抱える課題解決の一助となるかもしれない。

KFC製品(イメージ画像:ALEKS Dorohovich)

3Dバイオプリンティング・ソリューションズとは

ロシア最大の民間医療企業であるINVITROによって設立されたバイオテクノロジー研究のためのラボ。研究所は、バイオプリンターとフードプリンター、バイオインク、添加剤バイオプリンティング用の材料を開発、製造し、バイオファブリケーション、再生医療、宇宙医学、臨床試験、食品製造における新技術を開発している。

関連WEBサイト

KFC プレスリリース記事
シェアラボ編集部

3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。

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