障がい者アスリートの夢を支援する3Dプリンター義手!クラウチングスタートで新記録へ
広島国際大学の森永浩介 氏が、3Dプリンターを活用して成長期の障がい者アスリートのために義手を製作。クラウチングスタートを可能にし、選手の記録更新を支援する。この義手は8月に開催される国際デジタルモデリングコンテストに展示される予定である。(上部画像は広島国際大学のプレスリリース。出典:広島国際大学)
成長期の障がい者アスリートの義手への需要
成長期の障がい者アスリートにとって、身体の成長とともに適切な義手が必要となる。特に競技スポーツにおいては、義手のフィット感や機能性が成績に大きく影響する。従来の義手は高価であり、成長に合わせて頻繁に交換するのは経済的負担が大きい。そのため、成長に伴って手軽に調整・交換可能な義手の需要が高まっている。広島国際大学の取り組みは、こうした背景から生まれたものである。
安価で簡単な製作プロセス
3Dプリンターを使用することで、義手の製作が従来の方法よりも安価かつ迅速に行える。3Dプリンターは設計データを基に、素材を積層して一体成形するため、複雑な形状やカスタムメイドの義手を簡単に作成できる。また、成長期のアスリートに合わせて頻繁にサイズ変更が必要な場合も、データを修正するだけで新たな義手を短時間で作成可能である。このように、3Dプリンター技術は経済的負担を軽減し、迅速な対応を可能にする。
アスリートのクラウチングスタートと記録更新
広島国際大学の森永浩介 氏が手掛けた3Dプリンター製義手により、先天性前腕形成不全を持つ高校生アスリートがクラウチングスタートを実現した。高い耐久性とフィット感を持ちながらも軽量であり、選手のパフォーマンス向上に寄与している。実際、この義手を使用した選手は、これまで達成できなかったタイムを記録し、自己ベストを更新した。これにより、3Dプリンター義手の有効性が証明された。
国際コンテスト展示と次のステップ
8月に開催される国際デジタルモデリングコンテストで、広島国際大学の3Dプリンター製義手が展示される予定である。この展示は、技術の普及と新たなコラボレーションの可能性を探る重要な機会となり、今後は、さらに多くのアスリートにこの技術を提供し、競技スポーツにおける障害者支援の枠を広げることを目指している。また、義手の機能向上やコスト削減を図り、一般の人々にも利用しやすい環境を整える予定である。
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