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負傷したウクライナ兵士に3Dプリント製の義手を納入 ― Open Bionics

3Dプリントされた腕を持つウクライナの兵士。出典/Superhumans-Centre

イギリスに拠点を構える3Dプリント義肢装具メーカーのOpen Bionics社が、地雷で負傷したウクライナ兵士の治療を行っているドイツのミュンヘンにある施設に、3Dプリントした義手「Hero Arm(ヒーローアーム)」を納入した。

(画像はOpen Bionics社の義手を装着する人々/出典:Open Bionics社)

ウクライナ兵士に届けられた「Hero Arm」

ヒーローアームは現在、アメリカ、イギリス、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなどで販売されている。今回、ウクライナに病院を建設しようと計画している慈善財団「Superhumans Center」の支援により、負傷したウクライナ兵士のためのヒーローアームが届けられた。

3Dプリンタ―製の義手を受け取ったウクライナの兵士 Vitalii Ivashchukは、「このような機能的な義手を付けることができ、嬉しいです。電極が装着され、この義手をテストした際は、私はそれを楽しんでいました。」

アニメや映画のヒーローをヒントにデザインされた義肢

3DプリンターでつくられたOpen Bionics社の義肢装具「ヒーローアーム」は、映画やアニメに出てくるヒーローをイメージしたデザインとなっている。親指とその他の指が可動式で、従来の義肢よりも効率的に物をつかめる。グリップは手首部分が180度回転させられ、作業に応じた動きができる。

また、一時的に手の位置を固定させ、筋肉の制御を無効化できる「フリーズモード」も備わっている。フリーズモードによって、モノを握っているときに誤って義手が手を放してしまうことを防げる。

ヒーローアームを持つOpen-Bionicsチームとウクライナの兵士-出典/Superhumans-Center.
ヒーローアームを持つOpen Bionicsチームとウクライナの兵士 出典/Superhumans Center

義肢装具はマグネット式のカバーが50種類以上用意されており、ファッションを楽しむように見た目の変更もできる。アームに付属しているダイヤルで、フレームを締めたり緩めたりでき、フィット感の調整が容易だ。

また、通気性のよい素材とデザインに加えて、肌に触れる部分のライナーを取り外して洗えるのも特徴のひとつだ。蒸れを抑え、常に清潔を保った状態で使用できる。

広がる3Dプリンターの活用

それぞれの指が稼働するヒーローアーム/出典:open-bionics社
それぞれの指が稼働するヒーローアーム/出典:Open Bionics社

義肢装具は、ユーザーに合わせた精密なカスタマイズ性が求められる。複雑な形状が容易に造形可能な3Dプリンターは、義肢装具の製作に適したツールだと言える。今後も義肢装具の領域における3Dプリンターの活用が進んでいくだろう。

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ShareLab NEWSでは、これまでにも3Dプリンターを用いて義足を製作した企業の事例を取り上げている。
今回の記事とあわせて、以下の記事もぜひご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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