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3Dプリンター製の医療模型、脳神経外科医向け国際ワークショップで使用

ハンズオンワークショップで利用された製品/出典:ジャパン・メディカル・カンパニー社

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(以下、ジャパン・メディカル・カンパニー社)が開発した精密医療模型「KEZLEX(ケズレックス)」が、2023年1月にナポリで開催された脳神経外科医向けの国際的なワークショップイベントでの講義やデモンストレーションに用いられた。(画像はハンズオンワークショップで利用された製品/出典:ジャパン・メディカル・カンパニー社)。

神経内視鏡手術の実践型ワークショップ

イベントを主催するのは、神経内視鏡手術を実践する神経外科医によって設立された連盟「IFNE(国際神経内視鏡連盟)」。ワークショップには、北米・中南米・ヨーロッパ・アジアなどの脳神経外科医が集結し、ビデオプレゼンテーションや解剖モデルを用いたライブデモンストレーションなどを受講した。

同ワークショップでは、 「KEZLEX」とミニトマトを用いて実地トレーニングを行った竹内和人氏(名古屋大学脳神経外科医)が、ベストトレーナーアワードを受賞した。

本物同様の削り心地と内部構造を3Dプリンターで再現

ShareLabでも以前紹介した通り、医療分野での3Dプリンター活用が広がっている 。今回の「KEZLEX」は、CTやMRIから得た3次元データをもとに、3Dプリンターで人骨の内・外部を緻密に再現した医療用精密複製立体モデルだ。本物の人骨と同様の削り心地や人体の内部構造を再現するために、過去25年にわたり、脳神経外科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科等の医師たちの協力を受けて改良・開発されてきた。

ケズレックスを用いたハンズオンワークショップの様子/出典:ジャパン・メディカル・カンパニー社
「KEZLEX」を用いたハンズオンワークショップの様子/出典:ジャパン・メディカル・カンパニー社

「KEZLEX」は骨切り術、インプラントなどの術前のシミュレーションやリハーサル、手術練習、患者への説明、教材などとして使用されており、美容整形・歯科で1,000症例以上の導入実績がある。3Dプリンターの特性を活かして、動脈瘤、耳小骨などの微細形状、神経管、三半器官などの管腔部分を再現することができ、本物の骨と同様に切って削ることも可能。

アメリカ、イギリス、ドイツなど海外でも利用されており、日本では日本神経内視鏡学会の認定医試験や、東京医科歯科大学ではがん手術の際に術野での比較シュミレーション、東京医科大学では術前シュミレーションなど確認、多くの国内導入事例もある。

ケズレックスの利用シーン/出典:ジャパン・メディカル・カンパニー社.
「KEZLEX」の利用シーン/出典:ジャパン・メディカル・カンパニー社.

「KEZLEX」を開発したジャパン・メディカル・カンパニーとは

「KEZLEX」 の製造・開発を行うのは、日本企業の ジャパン・メディカル・カンパニー社だ。同社では、3Dプリント技術を用いて医療機器などの開発を行っている。「KEZLEX」 以外にも、赤ちゃんの頭のゆがみを矯正するヘルメット「Aimet (アイメット)」/「Qurum (クルム)」の開発販売を行っている。こちらについては過去にShareLab NEWSでも詳しく取り上げているので、ぜひご覧いただきたい。

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医療機器メーカーや手術訓練用の臓器モデルを作製する樹脂加工メーカーなど、医療分野での3Dプリンター導入が積極的に行われている。今回の記事に関連する事例として、ShareLabNEWSが以前取り上げた3つの記事を紹介する。こちらもあわせてご覧いただきたい。

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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