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失明した愛犬の歩行を補助するバンパーを開発ーAtomicWorks合同会社

犬

神奈川県にあるAtomicWorks合同会社では、失明した犬がものにぶつかっても痛くない保護具「ドッグバンパー」を開発、販売している。採寸し愛犬の体形に合わせた保護具を3Dプリンターを駆使することで、それぞれの犬の体に合った保護具の製造が可能となった。

ぶつかっても痛くない!犬の体を守るドッグバンパー

人間であれば、目に障害を持つ場合、杖を使って周囲の安全を確認しながら歩行する。この杖を「白杖(はくじょう)」と呼ぶが、失明した犬にとっての白杖の役割を果たす器具がドッグバンパーだ。価格は犬の体重が1kgから3kgの小型犬の場合は、税込み18480円。そのほかに独自の採寸具などの使用料と送料がかかる。

ドッグバンパー(出典:AtomicWorks)

ドッグバンパーは犬の体に装着し、顔前方を覆うような形状をしている。顔前方の輪が障害物にぶつかると、犬がそれを感じられる仕組みだ。

一方で、犬の負担を減らすためには、犬の体にフィットした構造が必要となるが、それぞれの犬種、大きさ、年齢に合うようドッグバンパーの形状を調節することが難しい。

神奈川県のベンチャー企業AtomicWorksは、この問題を3Dプリンターの活用によって解決した。犬の体に合わせたドッグバンパーを3Dプリンターで製造したことで、体の大きな犬も小さな犬も安心して散歩や歩行ができるということで、全国の愛犬家から注目を集めているようだ。

約8時間で完成する3Dプリントを活用したドッグバンパー

愛犬の体の大きさに合わせたドッグバンパーは約8時間で完成するが、その主要な部品は3Dプリンタで出力される。

事前の採寸を元にして、犬の体にフィットするようCADデータを調整するが、ひな形となるデータがあるため、それほど時間はかからない。CADデータのカスタマイズ自体は30分~1時間で終わる。3Dプリンターで出力した部品はバリ取り、削り仕上げの後、組立をして完成だ。

製作工程(出典:AtomicWorks)

現在、ドッグバンパーは、そのラインナップを拡大している。

「スタンダードタイプ」に加え、角度の調節機構、防傷プロテクター、サイドフレームなどを廃した廉価版の「ドッグバンパー・イージー」、大型犬に対応した「強化タイプ」、元気に動き回る犬用の「耐衝撃タイプ」の計4種類があり、様々なユーザーに対応できる。

創業者の経験に基づく愛犬のためのドッグバンパー開発の経緯

開発者は、自身も失明した犬を飼った経験のあるAtomicWorks代表、西澤洋氏。湘南工科大学機械工学科を卒業した西澤代表は、充電器のケースなどを設計する技術者として活躍後、2016年に会社を立ち上げた。現在は受託で3次元モデルなどの設計支援を行う傍ら、ドッグバンパーの製造販売を行っている。

犬は人間に比べて視覚に頼る割合が少ないとは言え、失明してしまうと散歩中に電柱や壁などの障害物にぶつかってしまう。物にぶつかっているうちに散歩を嫌がるようになり、屋内に引き籠ってしまうことが多いという。西澤代表は「痛い思いをしている犬を一日も早く減らしたい」との思いで、この事業に取り組んでいるようだ。

過去、電機メーカーに勤めていた経験は、3Dプリンターの導入に活かされている。ドッグバンパーは、動物病院の獣医師である知人から助言をもらいつつ改良を重ね、現在の形となった。2019年から販売を開始し、現在までに300個以上が提供されている。

ドッグバンパーだけじゃない!ペット用製品に活用される3Dプリンター

人間用のヘルスケア商品などと異なり、ペット用商品は需要の絶対量が少なく、商品としての取り扱いも少ない。さらに、人間以上に犬の体形は多様だ。犬種によって、成長の度合いによって、あるいは個体差によって異なる最適なサイズをカスタムオーダーで作る上記のような理由から安定して生産することが困難であるが、こうした事例に3Dプリンターの持つ柔軟性は効果的に機能する。

以下では、3Dプリンターをペット用品製造に活用した事例を紹介している。併せてご参照頂きたい。

世界初!3Dプリンター製犬用シューズが特許を取得

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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