3Dプリンターの失敗作の頂点が決定「もじゃコン」結果発表-株式会社メルタ
株式会社メルタは、2021年4月に3Dプリンターの失敗作の頂点を決める「もじゃコン」を開催。ShareLab編集部でも中間発表として途中経過をお伝えしたが、ついにもじゃコンの頂点が決まったのでご紹介する。(写真│株式会社メルタより引用)
もじゃコン開催背景「単に失敗で片付けるにはもったいない」
もじゃもじゃコンテストとは、3Dプリントを始めると避けては通れない印刷ミス、その結果生まれる「もじゃもじゃ」に焦点を当てたコンテストである。失敗談のエピソードや偶然生まれた芸術的作品を、日々3Dプリンターに挑戦し続けている人を応援するため開催された。
開催期間2週間で、#もじゃコン のハッシュタグでの応募投稿は120件。作品は【デカさ】【美しさ】【エピソード】【オーディエンス】そして、すべてを制した【最優秀賞】の全5作品が表彰された。
第一回もじゃコン 選ばれし優秀作品を発表
【デカさ部門賞】 巨大化の果てに
「子供のおもちゃを巨大化させるはずが、出社したらこんなことに…」
おもちゃの恐竜を作るはずが、推定50~60cmの高さを誇る作品が誕生したとのこと。多くの作品の中でも群を抜いた大きさと、56時間にも及ぶ時間を経て完成した作品のボリューム感で選定された作品。
【美しさ部門賞】 現代的彫刻、モジャのヴィーナス
芸術観点から選ばれる写しさ部門では、半壊したミロのヴィーナス。作品の輪郭は保ちつつも、まるでモザイクがかかっているかのよう。その失敗作ならではの偶然の産物が評価された。
【エピソード部門賞】 青春とはもじゃもじゃである
失敗作エピソードで選ばれる作品では、高校生ながら5回も失敗してもあきらめない姿勢と無邪気でパワフルな作品が評価された。
たしか、あれは高校の文化祭の時に「顧問の顔を3Dプリンターで作ろう」となって第一回目の印刷の時、土台が反りあがって座標が狂いこんなのになったんだ。それを頭の上に乗せて「アフロ」とか、黄色い丸いものを印刷して「目玉焼き」とか言いながら遊んだなぁ…
Onigiri.しーおー.jp さん
それで5回ぐらい印刷に失敗してできたのが文化祭前日の19:30頃。
そこから動画を編集して、動画ができたのが22:00頃。
家に帰って動画を出力して最終的に完成したのが当日の朝3:00。
多分一生の思い出になるわ。
【オーディエンス部門賞】 もじゃよ、ネットミームになれ!
Twitterでの反響(いいね数)が250件と最も多かった作品が選ばれた。理想と現実の剥離をうまく表現された失敗作の面白さが3Dプリンターに詳しくない人でもわかりやすいところが評価された。
【特別賞】 もじゃのある生活
特別賞は審査会で話題になった作品を紹介。写真から推測される作品への想いや、見た目のフォルム、作品投稿のスピード感など、一癖も二癖もある作品ばかりが応募されてきたことがうかがえる。
【最優秀賞】 すべてを制した「王」の誕生
審査員をもっとも悩ませた最優秀賞では、「後続のもじゃもじゃの見本となるような、威厳があるもの」を基準に評価。栄えある第一回の最優秀作品として選ばれたのはこちらの作品。
3Dプリンターからあふれ出る規格外の大きさと、まるで川のように流れ出た黒く煌めく邪悪さあふれる雰囲気が、ラスボス感あふれる作品として選ばれた。
まさか数ある #もじゃコン の中で最優秀賞を頂けるとは夢にも思っていませんでした。 本来ならため息と共に捨てられる物として見向きもされない”もじゃもじゃ”が株式会社メルタ様のユニークな企画で紹介出来た事を嬉しく思います。
Delphis さん Twitterコメントより引用
もじゃもじゃに負けず、ものづくりに挑む人を応援するため開催された企画は、失敗作を通して多くのものづくりたちの個性が見えるユニークなイベントとなった。おそらく、120件もの多くの失敗作をみて「自分だけじゃない…また頑張ろう」と再び3Dプリンターと向き合った人も少なくないだろう。
次回以降の開催は未定だが、今後も株式会社メルタのユニークなイベントに期待したい。
関連情報
3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。