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コロナ禍の製造業企業に見る“工場シェア”とは―東芝、キャノンなど

新型コロナウイルスの感染収束がまだ見えない中、大手製造業や大手部品メーカーでは「工場シェア」の動きが出始めている。今回はそもそも「工場シェア」とは?、について製造系企業、サービス系企業など実際の事例を交えてご紹介する。

コロナの影響により増えてきた“工場シェア”とは

新型コロナウイルスで自動車などの需要が急減するなか、工場に生じた余力を新たな目的に活用する「工場シェア」が進みつつある。
さまざまな企業において受発注を仲介するサービスが登場し、自動車部品の下請け工場でコロナ対策に用いられる医療機器や搬送設備の部品を手掛けるといった事例が広がる。

実際、コロナ以前より、大手企業やサービス系企業において閉鎖した工場を売り出したりするなど有効活用法を模索する動きはあった。工場における設備とは生産性向上に大幅に寄与する反面、遊休設備を活用できなければ、税金の支払いに追われるだけなので製造業企業にとっては課題であり続けてきた。
今回のコロナウイルス感染拡大により、そのための動きは一層後押しされた形となる。

製造系企業やサービス系企業に見る工場シェアに向けた動き

①新型コロナの簡易検査キット:東芝

東芝も傘下の工場で、みらかホールディングスの新型コロナの簡易検査キットを製造する。具体的には、通常は電子部品を製造している東芝ホクト電子の旭川工場の建屋の一部を転用する。

旭川工場は、キットの新たな生産拠点として2020年12月までの稼働開始を予定しており、既に生産を行っている富士レビオ 宇部工場とあわせて週40万テスト以上の生産体制を構築するとのことだ。また、生産工場を2拠点とすることにより供給の安定化を図る。不足する医薬品の製造を支援する国の方針が起点だが、工場はクリーンルームを備えるなど、医療品と電子部品は製造技術の面で親和性が高い

②フェイスマスクなどの受託製造事業:キャノンマーケティングジャパン

以前、ShareLab編集部でも取り上げたトピックでも、キヤノンが販売子会社のキヤノンマーケティングジャパンを通じ、工場の3Dプリンターを他社にも開放したこともその一例であろう。
需要に応じたオンデマンド生産を代行し、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスによる影響の抑制の支援ということになる。(画像は、オンデマンド生産の製品事例であるフェイスマスク。

以下③~⑤の事例では、コロナ前からあった一種の工場シェアの動きを紹介する

③即時見積サービス:Kabuku

国内だけでなく海外の工場ネットワークも同社は、かつてリソースの少ない中小加工企業が時間をかけて作成していた見積りを、最短5秒で出せる「Kabuku Connect」の即時見積サービスを提供している。
3Dプリンティングだけでなく、さまざまな工法の見積もりを出すことが出来る同社のサービスも工場における設備を有効活用する流れの一部と言える。

④オンデマンド製造サービス:meviy ミスミグループ

株式会社ミスミグループの提供する、製造現場で使う部品の見積もり、調達時間を大幅に削減するサービス「meviy(メヴィー)」も工場シェアの一部と言える。
Kabuku Connect」と同様、従来の図面手配による見積もり、発注に要する時間を大幅に削減することが可能にし、顧客のものづくりの時間短縮に貢献するサービスも有効的に今ある施設を活用していく一助となる。

⑤町工場と大手企業を繋げる:キャディ

3Dプリンティングサービスは手掛けていないものの、キャディ切削加工などを担う全国600の町工場の技術と、大手企業の注文を照合するシステムを持ち、工場シェアの流れを汲んでいる。

前年に比べて受注の減った製造系企業が、キャディに駆け込む事例も見られる。このように各地における町工場は、受注減の状況下においてもキャディに登録して案件を増やすことに成功している。工場シェアと銘打たれたサービスではないものの、有給設備をシステムを通じて有効活用している企業だ。

このように、コロナウイルスにより各社の工場に余力が生じたり、モノづくりの時間短縮を促進するサービスなど、その活用の方向性がさまざまな製造系企業において、検討されていることがお分かりいただけだであろうか。今後も動向に注目していく。

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