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Xometryが3Dプリント受託プラットフォーム事業で売上を大幅に伸ばす

xometry

NASDAQ上場の製造業の受託加工の受発注マッチングをおこなうプラットフォーム事業を展開するXometry(ゾーメトリー)が2022年度第2四半期決算を発表した。売上高は9590万ドル(約130億円)で、前年同期比89%増、過去最大の四半期売り上げとなった。主力事業である「 製造業に特化した受発注マッチング 事業」の売上増加が貢献している。

Xometryは製造業に特化した受発注マッチングのプラットフォーム

Xometryは、米メリーランド州ゲティスバーグに本社を置くAIによる製造業の受託加工のマッチング事業を行っているプラットフォーム事業者だ。2013年に創業された同社は、「グローバルな製造能力と需要へのリアルタイムかつ公平なアクセスを提供し、イノベーションを加速する」ことをミッションとして掲げ、オンラインマーケットプレイス事業を主力事業とする。Xometry自身がサービスビューロ(受託加工業者)として加工サービスを提供するのではなく、受注がほしい数多くの加工工場と、加工を受けてくれる先を探している発注側を集めたマッチングを行っている。その肝になるのが、AIによる自動見積もりだ。

Xometry社IR資料より
Xometry社IR資料より

STLデータをアップロードすると見積もりがすぐにわかるXometry

部品の設計を行う際にコストは重要な要素だ。新しい製品や部品を設計した際に、自社内部で製造できる目途が立っていれば問題ないが、外注工場に加工を依頼する場合、3社、5社と相見積りをとるところからのスタートになる。仕様のすり合わせや品質の確認などに多くの時間がかかる上に、既存の取引先ではできない加工がある場合もある。

そうした場面で、Xometryの産業用マーケットプレイスが大きな力を発揮する。作りたい製品や部品を3DCADデータとしてXometryの見積りエンジンにアップロードし、製造プロセスや材料、仕上げ処理などの条件を選択すれば、必要な技術を有するサプライヤーパートナーを見つけ、自動で見積もりを行ってくれる。まるで通販サイトで買い物するような感覚で、自分が欲しい部品を購入できる点は大きな魅力だ。

stlファイルをアップロードすればすぐに見積もりが算出される。SLS方式の3Dプリンターで造形した際の見積りが表示された。
stlファイルをアップロードすればすぐに見積もりが算出される。SLS方式の3Dプリンターで造形した際の見積りが表示された。

今回は、無料のSTLデータをダウンロードできるサイトから電池を収納できる便利なケースのデータをダウンロードし、見積もりに利用した。ダウンロードしたファイルには、OBJファイルとSTLファイルがあったが、OBJはXometry側が非対応だったため、STLファイルをアップロード完了後1分もたたないうちに見積金額と納期が表示された。

無料でSTLデータを入手できるサイトの一覧はこちら

この部品がいくらで製造できるか、どんな工法であればいくらになるかがすぐに把握できる。相見積先に相談しながらコストを想定するのにくらべ、時間も手間もかからない利便性は非常に魅力的だと言えるだろう。

Xometryのサービスは、受注側にも大きなメリットがある。最大のメリットは、自社が行うべき営業活動コストを低減するということだ。仕様を調整しながらコストを落としどころに持っていく工程は、発注側、受注側双方にとって時間も労力もかかる。Xemetoryはこの過程をAIによるディープラーニングで省略している。このほか、受注側のタスク管理や料金回収なども多岐にわたってサポートしているという。

M&Aも行いながら売り上げを大きく伸ばすXometryの躍進

製造業のマッチングを行うプラットフォームであるXometryの2022年度第二四半期決算では、冒頭触れたように大きな躍進があった。おなじような製造業のプラットフォームであるThomasnet.comを傘下に収めた結果、シナジーが生まれたという経緯もあるが、売上高は9590万ドル(約130億円)にのぼり、前年同期比89%増と、過去最大の四半期売り上げをあげた。

Xometry社HPより
Xometry社HPより

Xometryの扱う工法は、切削、AM(3Dプリンター造形)、各種樹脂加工、金属加工など多岐にわたり、工法別の売上数字は公表されていないため、定かではないが、AMに多くのメニューを配していることからも、力を入れていることが伝わってくる。試作やワンオフの造形、少量製造が多い場合は3Dプリンターによる造形が活躍するだろう。

日本でもオンラインでの部品加工サービスは複数登場

オンラインで簡単に見積もりがわかり、すぐに発注もできる。そうした通販サイトで買い物する感覚に近い使い勝手で部品加工を依頼できるサービスは日本でも複数存在する。

DMM.comは3Dプリンターによる造形をオンラインで受け付けているし、カブクも3Dデータをアップロードすれば瞬時に見積もりがわかる。DMM.comは自社工場での造形に力を入れており、カブクは提携工場での加工がメインであるなどサービスの提供方法は異なるが、両者ともにデータから見積もりがすぐにわかる上に、ECサイトのように部品加工を注文できる通販型のサービスを提供している。

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3Dプリンターでの加工は受けていないが、meviy(メビー)もオンラインで簡単に見積もりが手に入る部品調達サービスを展開している。

こうした状況は、名刺やチラシ、パンフレットのような紙の印刷物を扱う印刷業界と似ている。近所の顔が見える関係が築ける印刷所に依頼するか、安くて手軽なオンライン通販型サービスを利用するか。ビジネスコンビニで高いけれども素早く印刷するか。状況にあわせた使い分けができるようになるはずだ。

こうして利用者側の選択肢が広がるとともに、樹脂や金属の加工事業を行う加工製造業各社が今後3Dプリンターを使った受託製造に乗り出す件数も増えるだろう。印刷業界と同じような受託製造の生態系が形成されていく中で、生態系全体が健全な発展を遂げていくことができるのか、一部の業者に受注が集中し、淘汰の時代が訪れるのかは現状ではまだ見通せないが、より3Dプリンターによる造形サービスが具体的な選択肢として比較できる時代になっていくことは間違いないだろう。

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国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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