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ソディックが大型金属3DプリンターLPM450を発売

LPM450

日本の工作機械メーカー、ソディックが金属3Dプリンター「LPM450」の開発、販売を開始した。従来よりも造形サイズを増し、多品種粉末に対応可能としたことで、試作品造形を容易にする。

ソディックの新型金属3Dプリンター、LMP450がJIMTOF2022でお目見え

ソディックが開発する「LPM450」は、金属粉末の溶融凝固によって金属の3Dプリントを行う。

従来機OPM/LPMシリーズの使用を通じて、顧客から寄せられた意見を多く取り入れ、「造形サイズ拡張」 「多品種粉末の造形対応」 「使いやすさ向上」の3つをテーマに開発を行った。

2022年11月8日~13日に東京ビッグサイトで開催される工作機械の見本市「JIMTOF2022」では、LPM450も出展予定となっている。本格的な金属3Dプリンターをお求めの方は、この機会に会場へ足を運んでみて頂きたい。

各種機能

LPM450の各種機能や特徴について紹介していく。

  1. 大型サイズの安定造形

大型部品を金属3Dプリンターで造形する際には、熱応力が問題となる。これは、熱溶融した金属が冷えて固まる際に、収縮し、周囲を強く引っ張る現象だ。熱応力を抱えたままの金属部品は、使用時に割れを生じやすくなる。

この問題を解決するために、SRT(Stress Relief Technology)という独自技術を取り入れた。これは積層造形時の熱収縮応力を意図的に解放し、応力の均衡を取る技術だ。

加えて、大型造形用に作られた専用の金属粉末(熱サイクル耐性、耐溶損性に優れる)を導入することで、大型金属部品作製、特にダイカスト用金型作製を安定的に行えるようにした。その結果、大型造形が困難なダイカスト金型において、400×300×50mmの大型造形を実現できたという。

  1. 多品種粉末の使い分け

製品の品質・機能性向上を図る上では、試作段階で、様々な材料・形状を検討することが必要となる。

しかし、従来の金属3Dプリンターは、多品種粉末の使い分けを前提として作られていないことが多い。結果として、試作段階で複数の金属3Dプリンターを使い分けたり、長い時間が掛かったりして、コスト面で不利となる。

LPM450では、アタッチメントを取り付けるだけで、様々な金属粉末を使い分けられるように設計されている。別種粉末を30分程度で使用可能となるため、試作・検討をより効率的に進めることができるだろう。

  1. ヒュームの自動除去による稼働率向上

金属のレーザー加工においては、金属蒸気の集積物(ヒューム)が生じる。ソディックでは、このヒュームを自動除去するための装置を自社開発し、LMP450に搭載した。これにより、ヒュームが詰まりにくくなり、メンテナンス頻度を1/2でよい。

粉末の供給・回収なども自動化し、全体としての稼動率向上を目指した。

  1. モニタリングによる異常検知

造形物やプリンター各部の状態を常にセンシングし、造形異常を防ぐ。また、異常が起きた際の各部状態を記録し、次回以降の改善に役立てることができる。

  1. 従来比2倍以上の造形速度

標準でデュアルレーザー(オプションでクワッドレーザー)を搭載し、長時間の安定造形と、造形速度の向上を可能とする。

  1. 基準面加工

金属3Dプリントでは、造形後の表面処理や穴あけのために2次加工を行うことが一般的だが、LPMシリーズは、2次加工時に必要な基準面を作り出す機能を有し、造形工程から2次加工までをスムーズに進めることができる。大型造形が困難なダイカスト金型において、400×300×50mmの大型造形を実現するなどの他、ベースプレートからの切り離し加工や仕上げ加工の効率化が可能な新製品LPM450は、工作機械メーカーの強みを活かした金属3Dプリンターだといえるだろう。

これまでにSharelabでは金属3Dプリンターの記事を多く取り扱っている。こちらの記事一覧も参照されたい。
https://news.sharelab.jp/category/3dp-news/metal-3dprinter/

国内外の3DプリンターおよびAM(アディティブマニュファクチャリング)に関するニュースや最新事例などの情報発信を行っている日本最大級のバーティカルメディアの編集部。

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