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ワブテック、24時間以内に世界中に出荷できる国際空港近隣に3Dプリンティングセンターを開設

アメリカの鉄道車両メーカーのWabtec Corporation(以下、ワブテック)が、ピッツバーグ国際空港近隣に3Dプリンティングセンターを開設した。ピッツバーグ国際空港イノベーションキャンパス内に設置された施設は広さ1021平方メートルで、SLM800などハイエンド3Dプリンターが導入されている。施設では貨物車両のブレーキ用部品やヒートシンクなどが製造される予定だ。
(写真は開設された3Dプリンティングセンター/出典:ワブテック)

製造時間を最大80%削減し、2025年までに25,000点の量産へ

ワブテックは2019年までに1,250を超える3Dプリントのプロトタイプを製造し、北米の車両での生産に金属3Dプリント部品を組み込んだ最初の鉄道サプライヤーである。今回、同社は2025年までに25,000を超える添加剤製造部品の生産を目指し3Dプリンティングセンターを開設。このセンター開設により、部品などの製造時間を最大で80%程度削減できるとしている。収容されている3Dプリンターは、鉄道クライアント向けの大判で軽量な部品を製造することに特化したSLMsolutionsSLM800 3Dプリンターを設置。

SLM800はZ軸を拡大した500×280×850mmの造形領域を持ち、4台の400W又は700Wのレーザで構成され、大型部品を最高毎時171cm3の速度で効率よく造形する。大型部品造形用ハイパフォーマンス金属3Dプリンターとして高い造形効率と大型の造形領域、統合パウダー供給ユニットPSVとシステム拡張性を兼ねそろえている。

(SLM800 3Dプリンター出典:SLMsolutions)

また、同社がセンターを開設したエリアのピッツバーグは「鉄の街」と呼ばれ、製鉄に加え、アルミニウム、ガラス、船舶、石油、電気などの生産が盛んに行われている。そんな古くからモノづくりが盛んな土地として知られるエリアにあるピッツバーグ国際空港は、四つの滑走路と五つのターミナルを持ち、年間800万人の旅客が利用している。

その便利なロケーションにより、24時間以内に世界中のどこにでも出荷することができる。将来のグローバル展開も視野に、クライアントへの安定した部品供給を通じて信頼性向上にも繋がるとのこと。

Neighborhood91とそのユニークなアディティブエコシステムは、3Dプリントにおけるエンジニアリングの課題とブレークスルーに対する創造的なソリューションの育成に役立ちます。ペンシルベニア州西部にあるNeighborhood91施設とその他の添加剤ラボは、リードタイムを短縮し、コストを削減し、信頼性を高める新しいイノベーションを加速します。

ワブテック 最高技術責任者エリック・ゲブハート氏のコメント抜粋
SLMSolutionsのSLM8003DプリンターがWabtecのNeighborhood91キャンパスに設置されました。 ワブテック経由の写真。
SLM8003DプリンターがWabtecのNeighborhood91キャンパスに設置された時の様子(出典:ワブテック)

ワブテックとは

ワブテックは、1869年設立のWestinghouse Air Brake Company (ウェスティングハウス・エアブレーキ社)を礎とする鉄道車両メーカー。主に貨物列車や旅客列車や最大4,000馬力(3 MW)の機関車など鉄道車両などを製造している。

同社はまた、廃棄物の削減、機器の寿命の延長、コスト削減の推進を通じて、製品をできるだけ長く流通させるために再製造プロセスを採用。ワブテックによると、再製造の結果、毎年約2億9600万ポンドの使用済み材料が世界の製造施設に戻され、1%未満の廃棄物で再利用またはリサイクルされている。

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シェアラボ編集部

3Dプリンターの繊細で創造性豊かなところに惹かれます。そんな3Dプリンターの可能性や魅力を少しでも多くの人に伝えられるような執筆を心がけています。

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