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ワイヤーDED方式金属3Dプリンターで冷却水管を配置した金型を製造 ― 3D Printing Corporation

ワイヤーDED方式金属3Dプリンター「M450」

株式会社3D Printing Corporationが、Meltio社のワイヤーDED方式金属3Dプリンター「Meltio M450」で、金型内部に冷却水管を配置した製造が成功したと発表した。(上部画像はワイヤーDED方式金属3Dプリンター「Meltio M450」。出典:3D Printing Corporation)

金属3Dプリンターは、航空宇宙や防衛、造船、建築など様々な分野で活用が広がっており、切削加工が難しい製品や、複雑な形状をした部品・製品など、使用用途も幅広くなっている。しかし最終部品製造には、生産性、品質評価などの面ですり合わせする必要が多く、容易ではないのも確かだ。そんな中、注目をあびているのが装置や治具用の部品製造、特に金型製造だ。

内部に冷却管を持つ金型を3Dプリンターで製造

金型内部に冷却水管を配置することで、高い冷却効果を得ることができ、生産性と品質の向上が期待できる。これまでこうした金型の製造は、PBF方式の金属3Dプリンターでの取り組み事例が多かったが、Meltio社ではワイヤーDED方式金属3Dプリンター「Meltio M450」を使った製造に取り組み、成果を上げたという。

PBF方式の金属3Dプリンターで金型を製造する場合は、金属粉末を一層ずつ敷き詰めて造形を行う。一方、ワイヤーDED方式の金属3Dプリンターである「M450」では、レーザーで金属ワイヤーを溶かして積層し造形する方式で、PBF方式と比べ造形時間は約5倍ほど速い。Meltio社の材料だけでなく、市販のMIG溶接ワイヤー材料などにも対応しているため、幅広い材料が使用可能というメリットもある。さらに加工に必要な分量の材料しか使用しないため、無駄が少ない。気になる金属密度も99.995%と高密度でボイド(内部空洞)を抑えた金型造形が可能になる。

自動車および消費者部品用の射出成形金型に冷却水管を設置

機械加工された部品と同等の性能でありながら、より複雑で漏れのない冷却水管が3Dプリンターで造形できるので、耐腐食性金属で冷却水管を造形し、部品の耐久性向上に成功した事例もある。

左が3Dイメージ。右が実際の造形物。
両画像ともに左が3Dイメージ。右が実際の造形物。(出典:3D Printing Corporation)

ワイヤーDED方式の金属3Dプリンター「M450」を活用することで、冷却水管を配置した金型を製造する際の課題であった「造形時間」と「材料費」を解決することが見込まれる。

さらに、3D Printing Corporationでは目的にあう材料の選択から、解析ソフトを活用した冷却における最適な設計を提供し、従来工法で製造される金型に付加価値をつけ製造することを国内でも展開していくとしている。

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3D Printing Corporationのニュースに関連するものとして、これまでShareLab NEWSが発表してきた記事の中から3つピックアップして紹介する。ぜひあわせてご覧いただきたい。

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